壺絵
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壺絵(つぼえ)とは、本来実用品である陶器の壺の表面に、装飾として描かれた絵。三次元曲面上に描かれた絵であって、壺の表面を立体的に装飾加工したものとは区別される。
古代ギリシアにおいては、実用道具として数種類の形式の陶器の壺が作られ、それぞれ分類された名前が付けられている。(例:アンフォラ・スキュフォス・レキュトス……等)この壺の外側に(平たい杯状のものでは稀に内部にも)、神話や英雄物語などの主題の絵が描かれた。
モノクロの線描画が主流で、背景が黒いベタとなるものと、その逆に人物等が黒くなり背景が土色(または白色)となるものとの二種類が見られる。描線は細くしなやかで格調高く、様式化も高度に洗練されたものとなっている。彫刻とはまた別の古代ギリシア人の感性を知ることが出来る。これらは、イタリア半島南部のギリシア植民地やイタリア半島中北部のエトルリア人などにも輸出された。
アジアやヨーロッパにおいても、陶磁器の上に絵を描くことはなされたが、それらは壺全体の芸術性を高めることが主目的であり、「壺絵」として、絵が壺本体から独立した芸術であるという認識をされることがあるのは古代ギリシアの壺絵のみと思われる。
関連項目
壷絵
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/08/22 13:43 UTC 版)
クラテールの首部分にある最上段の帯状装飾のA面にはカリュドーンの猪狩りが描かれており、メレアグロス、ペーレウス、アタランテーといった英雄が描かれている。その両側にはハスの花と唐草模様で区切られてスフィンクスが描かれている。その反対側(B面)には、竪琴をひくテーセウスに率いられて踊るアテナイの若者たちと、それに相対するように立っているアリアドネーとその乳母が描かれている。 A面の2番目の帯は、アキレウスが取り仕切ったパトロクロスの葬儀での戦車競走を描いたもので、トロイア戦争最後の年のことである。アキレウスは賞品の1つと思われる青銅製三脚台の前に立ち、競走には英雄ディオメーデースとオデュッセウスが参加している。B面に描かれているのはラピテース族とケンタウロスの戦いである。彼らの戦いで最も有名なのはペイリトオスとヒッポダメイアの結婚式で起きたものだが、ここに描かれているのもその場面と見られ、その証拠にラピテース族ではないがペイリトオスと友人で結婚式にも出席していたテーセウスが戦いの中に描かれている。また、同じ場面でラピテース族の英雄カイネウスの死も描いている。 陶器の最も突出した部分にある一番幅の広い帯状装飾は、両面を使ってペーレウスとテティスの結婚式に参列した神々を描いている。行列に描かれている人物像が多いため、この一番長い帯を装飾するのにふさわしい題材である。行列の先頭の先に祭壇とテティスが中で座っている家があり、その間にペーレウスが描かれている。ペーレウスは行列の先頭にいる先生でケンタウロスのケイローンと挨拶しており、ケイローンの背後には伝令神イーリスを初めとして多くの神々が描かれている。 A面の上から4番目の帯状装飾は、アキレウスによるトロイ城門外でのトローイロス待ち伏せ、B面はヘーパイストスのオリュンポスへの帰還を描いている。ヘーパイストスはディオニューソスに導かれたラバに乗っており、その後ろからサテュロスとニンフの一団がついて来ている。 5番目の帯状装飾はハスの花と唐草模様を側面に配してスフィンクスとグリフィンが描かれ、他に牛、豚、馬を襲うヒョウとライオンが描かれている。 土台部分には両面に鶴と戦うピュグマイオイが描かれている。 取っ手にも装飾があり、外側の上の方には "Mistress of Animals"(動物の女主人)と呼ばれる像が描かれ、その下にアキレウスの遺体を運ぶ大アイアースが描かれている。取っ手の内側のクラテールの口より高い部分には生きているゴルゴーン(首だけではない)が描かれている。
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