土壌空隙(率)のタイプ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 05:34 UTC 版)
「ポロシティ」の記事における「土壌空隙(率)のタイプ」の解説
初生空隙率、一次空隙率(primary porosity) 岩石もしくは不圧沖積堆積物における、主要な空隙もしくは堆積当時から存在する空隙を表す。 後生空隙率、二次空隙率(secondary porosity) 後に生じた空隙、もしくは一次空隙とは異なる原因による空隙を表す。多くの場合、初生空隙率に加算されて全体の空隙率を増加させる。原因としては化学的な鉱物の溶脱や裂け目の形成がある。後生空隙が初生空隙を上書きすることもあるが、両者が共存することもある。 裂け目空隙率(fracture porosity) 裂け目や断層に関する空隙率。初生空隙が(たとえば深層への埋没により)破壊された岩や、貫入火成岩や変堆積岩のように通常は炭化水素を貯留しない岩であっても、二次的な裂け目空隙の形成によって炭化水素の貯留岩となることがある。 空孔空隙率(vuggy porosity) 炭酸塩岩(英語版)から大きな異物(大型化石(en)など)が溶解によって失われたときに残る、空孔や空洞(英語版)、洞穴などの二次的な空隙を表す。 有効空隙率(effective porosity、open porosityとも) 全体積に占める流体の流通が可能な空隙の割合。一つ以上の開口部を持つ空隙のみを数え、孤立空隙は数えない。地下水・石油の流れや溶質の移動に重要である。 無効空隙率(Ineffective porosity、closed porosity) 全体積に占める流体の流れが生じない空隙の割合。孤立した空隙を含む。 2重空隙率(dual porosity) 複数のリザーバー(貯留岩、貯留層)が空間的に重なって相互に作用するというモデル。裂け目を持つ岩石帯水層について、岩石そのものと裂け目を別個の(ただし相互作用する)リザーバーとみなすなど。 マクロ細孔(macroporosity) 固体において(すなわち土壌のような凝集体を除く)、マクロ細孔とは直径50 nmを超える細孔を指す。マクロ、メソ、ミクロ細孔の分類はIUPACの命名に基づく。マクロ細孔を通した流れはバルク拡散と同様に考えられる。 メソ細孔(mesoporosity) 直径が2 nmより大きく50 nmより小さい細孔。メソ細孔を通した流れはクヌーセン拡散(en)として記述される。 ミクロ細孔(microporosity) 直径が2 nmより小さい細孔。ミクロ細孔では、分子が内壁に吸着した状態で行う表面拡散が支配的になる。
※この「土壌空隙(率)のタイプ」の解説は、「ポロシティ」の解説の一部です。
「土壌空隙(率)のタイプ」を含む「ポロシティ」の記事については、「ポロシティ」の概要を参照ください。
- 土壌空隙のタイプのページへのリンク