土壌窒素分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/17 19:20 UTC 版)
土壌の窒素含有率(土壌窒素分)は土壌呼吸に直接作用する。植物はいくつかの無機形態の窒素を栄養素として土壌から取り込む。最も取り込まれ易い無機形態は硝酸イオンNO3−である。硝酸イオン1分子の取り込みに植物は二酸化炭素0.4分子(硝酸イオン5分子で二酸化炭素2分子)を要する。植物体内で硝酸イオンはアンモニウムイオンに変換される必要があり、この過程は1分子当たり二酸化炭素2分子を消費する。ここまでで、菌根菌を介さなければ植物は硝酸イオン1分子からアンモニウムイオンを得るのに2.4分子の二酸化炭素を要する。菌根菌と共生していた場合、消費量は2.36分子である。 粗大有機物の窒素分も土壌呼吸に影響する。高窒素分の粗大有機物は、低窒素分のそれと比べて早く分解され、土壌呼吸を活発にさせる傾向にある。低窒素分のセルロースが粗大有機物中に高濃度で存在することはその粗大有機物の分解を制限する要因である。粗大有機物に窒素化合物を加えることで分解を促進することができる。
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