土偶頭部
主名称: | 土偶頭部 |
指定番号: | 403 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 1984.06.06(昭和59.06.06) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 考古資料 |
ト書: | 岩手県盛岡市繋萪内遺跡出土 |
員数: | 1箇 |
時代区分: | 縄文 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 土製素焼。顔面は眉弓上部に隆起帯をつくり、頬の外側から顎上部にかけて太い沈線をめぐらし、しかも全体を一段高くつくり、他と区分している。逆三角形状の仮面を着装した状態を示しているものと思われ、また縦横の綾杉状沈線文は仮面の装飾と解される。きわめて写実的につくられている両耳、鼻など立石遺跡(岩手県大迫町)、八天遺跡(同北上市)、にも共通する部品があるが、それらはいずれも各体部を単独につくるに過ぎず、全体像を形づくっているものではない。本遺品のような例はこれまでに知られない唯一のものである。人体にみられる特徴を細部まで写実的に表現しているところは、縄文時代の他の土偶にはみられないところであり、人頭の大きさとともに他を圧するものがある。頭上にみられる孔は、羽根かなにかを刺して頭部を飾ったと思われ、また下顎部の深い円孔も同様な意図のものと思われる。全体にきわめて特異な様相を呈した土偶頭部であり、他にその例をみない。 また本遺品は、土壙に埋納されていたものと推定されており、その出土状況や遺品の形状などから判断して縄文時代後期の所産と考えられ、当時の呪術的な精神文化をみるうえに欠かせない貴重なものであり、その学術的価値はきわめて高い。 なお、これに伴う粘土塊、手足の残欠と推定されるものがあるが、共に保存を図る。 |
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