国際酪農品取極とは? わかりやすく解説

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国際酪農品協定

(国際酪農品取極 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/21 08:42 UTC 版)

国際酪農品協定
署名 1994年4月15日
署名場所 マラケシュ
発効 1995年1月1日
現況 失効
失効 1997年12月31日
寄託者 世界貿易機関事務局長(世界貿易機関協定の発効までは関税及び貿易に関する一般協定の締約国団の事務局長)
文献情報 平成7年2月14日官報号外第26号外務省告示第115号
言語 英語、フランス語、スペイン語
関連条約 世界貿易機関を設立するマラケシュ協定
条文リンク 外務省 (PDF)
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国際酪農品協定(こくさいらくのうひんきょうてい、英:International Dairy Agreement)は、1994年4月15日に作成され、1995年1月1日に発効し、1997年12月31日に終了した国際協定[1]である。

概要

世界貿易機関を設立するマラケシュ協定の附属書4に含まれる4つの協定のひとつであった。同附属書に含まれる条約は複数国間貿易協定と呼ばれ、他の附属書に含まれる条約とは異なり一括受諾の対象とはされていない。このため、WTO加盟国すべてではなく、加盟国のうちでこれらの条約を別個に締結した国のみが拘束される。

内容は、酪農の分野における協力の改善が世界貿易の拡大及び自由化の達成に貢献するとの認識に基づいて、酪農品の需給、価格、貿易等に関する情報の交換、市況の検討、輸出締約国による最低価格の遵守、酪農品による食糧援助、この協定の運用のための国際酪農品理事会の設置等を定めるもの[2]であり、東京ラウンドの際に作成された「国際酪農品取極」を継承するものである。

国際酪農品協定は、第8条3の規定により、3年間効力を有し、失効の日の少なくとも80日前までに国際酪農品理事会[3]が別段の決定を行わない限り、3年毎に有効期間が延長されるとされていたが、1997年9月30日の国際酪農品理事会は、国際酪農品協定の延長を行わないことを決定[4]し、国際酪農品協定は、1997年12月31日に終了[5]した。また失効にともないWTO協定第10条9に基づく一般理事会[6]の1997年12月10日決定[7]により附属書4から削除された。

延長しない理由として、協定の意義が次第に減退してきたことが挙げられる。米国等[8]の主要な乳製品輸出国が国際酪農品取極から脱退し、国際酪農品協定にも参加しなかったこと、UR合意以降、国際価格が概ね堅調に推移していることから、最低輸出価格を設定することの意味が薄れ、協定を維持すること自体の意義が失われつつあった。また、過去2年間においては、乳製品に関する情報交換と年報の発行が協定の主たる活動内容となっていたが、他の国際機関(FAO等) でも類似の活動を行っていることから、その問題点を指摘する声も上がっていたとの指摘[9]がある

協定の加盟国

アルゼンチン、ブラジル、ブルガリア(1995年11月14日)、チャド(1996年9月19日)、欧州連合、フィンランド、ハンガリー、日本(1995年1月27日)、ニュージーランド、ノルウェー、ルーマニア、スウェーデン、スイス、ウルグアイ[10]

国名の後の日付は、当該国について発効の日。日付けのない国については1995年1月1日発効。

国際酪農品取極

国際酪農品協定の前身にあたる国際酪農品取極(こくさいらくのうひんとりきめ、英:International Dairy Arrangement)[11][12]は、東京ラウンド交渉の一環として1979年4月12日に作成され、1980年1月1日に発効[13]した国際協定[1]である。国際酪農品協定の締結により、国際酪農品協定の締約国については、国際酪農品取極の廃棄[14]とされた。基本的な内容は、酪農品の需給、価格、貿易等に関する情報の交換、市況の検討、輸出締約国による最低価格の遵守、酪農品による食糧援助である。

国際酪農品取極の加盟国

アルゼンチン(1982年10月1日)、オーストラリア(1982年2月1日)、オーストリア(1982年5月28日)、ブルガリア、エジプト(1988年4月22日)、フィンランド(1980年3月13日)、ハンガリー、日本、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド(1982年4月23日)、ルーマニア(1980年10月27日)、南アフリカ、スウェーデン、スイス、アメリカ合衆国、ウルグアイ(1980年7月18日)、ヨーロッパ経済共同体[15]

国名の後の日付は、当該国について発効の日。日付けのない国については1980年1月1日発効。

国際酪農品取極からの脱退国

アメリカ合衆国が、1985年2月12日[16]、オーストリアが1985年6月9日[17]、それぞれ国際酪農品取極から脱退している[15]

脚注

  1. ^ a b 広義の条約であるが日本政府は、国会承認条約とは扱わず、行政協定としている。
  2. ^ “国際酪農品協定(参考)”. 外務省. https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/pdfs/B-H7-1469_2.pdf 2019年3月28日閲覧。 
  3. ^ 国際酪農品理事会の締約国の代表で構成する機関(国際酪農品第7条1)
  4. ^ WTO文書IDA/8
  5. ^ 1997年12月12日外務省告示第566号国際酪農品協定の終了に関する件
  6. ^ 閣僚会議の権限を代行する。
  7. ^ WTO文書 WT/L/251
  8. ^ 月報「畜産の情報」(海外編)1997年11月には、豪州も脱退としているが、脱退したのはオーストリアである。
  9. ^ 月報「畜産の情報」(海外編)1997年11月”. 独立行政法人農畜産業振興機構 (1997年11月). 2019年4月23日閲覧。
  10. ^ Status of WTO Legal Instruments”. World Trade Organization (2015年). 2019年4月23日閲覧。
  11. ^ 国際酪農品取極1
  12. ^ 国際酪農品取極2
  13. ^ 1980年4月25日外務省告示第169号
  14. ^ 国際牛肉協定第8条1(c)
  15. ^ a b Status of GATT Legal Instruments”. World Trade Organization (1988年). 2019年4月23日閲覧。
  16. ^ ガット文書L/5749
  17. ^ ガット文書Let/1430

外部リンク


国際酪農品取極

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/06 23:07 UTC 版)

国際酪農品協定」の記事における「国際酪農品取極」の解説

国際酪農品協定前身にあたる国際酪農品取極(こくさいらくのうひんとりきめ、英:International Dairy Arrangement)は、東京ラウンド交渉一環として1979年4月12日作成され1980年1月1日発効した国際協定である。国際酪農品協定締結により、国際酪農品協定締約国については、国際酪農品取極の廃棄とされた。基本的な内容は、酪農品の需給価格貿易等に関する情報交換市況検討輸出締約国による最低価格遵守酪農品による食糧援助である。

※この「国際酪農品取極」の解説は、「国際酪農品協定」の解説の一部です。
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