四季と自然
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 14:02 UTC 版)
井の頭公園にとっての春は、井の頭池を縁取る桜(ソメイヨシノ)の季節である。池の中央を渡る七井橋から眺めると、岸からせり出す枝々の桜は、池に向かって水面を覆わんとするほどに折り重なって咲き、その花の淡い色が水面や空とコントラストをなす。一斉に咲き、一斉に散っていくソメイヨシノの華やかさとはかなさが、水に映ってさらに引き立つ。桜の開花時期(3月末から4月初め)には特に多くの来園者が訪れる。池の西側の梅園では、桜の開花前にも多くの花が見られる。梅園の北側に向かった池沿いには湧水口があるものの、現在は水量が乏しい。 夏の井の頭公園では、御殿山を覆う雑木林の緑の色と、その木立の中の清々しい空気とが楽しめる。 秋になると井の頭公園は多種多様な木々の紅葉によって彩られ、散策道をも埋めるほどに落ち葉が折り重なる。井の頭公園には、スギやヒノキなどの常緑樹だけではなく、ケヤキ、シデ、シイ、カシ、コナラ、クヌギなどの落葉樹もたくさん植わっている。 湧水がしみ出していたエリアに流入していた土砂を除去し、湿地・湿原を好むハンノキ林を再生する試みが行われている。 井の頭公園の冬はにぎやかである。渡り鳥が多く飛来し、井の頭池にて越冬する。 9月半ばから3月にかけて、井の頭池にはオナガガモ、キンクロハジロ、ハシビロガモなど、何種類もの渡りのカモが集まってくる。この時期以外に見かけるのは、定住しているカルガモである。井の頭池には、カモ以外にもゴイサギ、カイツブリ、カワセミなど、色々な種類の鳥がいる。園内の森では、夏にはオオルリ、キビタキ、冬にはルリビタキ、ジョウビタキ等の様々な野鳥が見られ、バードウォッチャーに人気の公園である。 園内では、アオダイショウ、ヒバカリ等の野生の蛇を見かけることもある。
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