唱歌「蝶々」
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「ちょうちょう (唱歌)」の記事における「唱歌「蝶々」」の解説
伊沢が紹介した曲には野村秋足(1819年 - 1902年)が独自に歌詞を付け、1881年に文部省が発行した『小学唱歌集』初編に「第十七 蝶々」の表題で掲載された。ただし、この歌詞と似た詞の童謡や清元は江戸時代から全国各地で知られており、野村も現在の愛知県岡崎市一帯で歌われていた童歌の詞を改作して「Lightly Row」の曲に当てたとされている。磯田光一は『鹿鳴館の系譜』にて香川景樹の旧派和歌からの影響を指摘している。また、東京師範学校(東京教育大学、筑波大学の前身)の音楽教師で「蛍の光」(原曲はスコットランド民謡)などで知られる稲垣千頴が2番を作詞しており、1896年(明治29年)に発行された『新編 教育唱歌集』では3・4番も追加されているが3番以降については作詞者不明となっている。 なお、曲については伊沢が「原曲はスペイン民謡」として紹介したことから長らく伊沢の紹介に疑義が挟まれることは無く、近年まで多くの文献に「作曲:スペイン民謡」と掲載されていた。 一、(野村秋足作詞)蝶々 蝶々 菜の葉に止れ 菜の葉に飽たら 桜に遊べ 桜の花の 栄ゆる御代に 止れや遊べ 遊べや止れ 二、(稲垣千頴作詞)おきよ おきよ ねぐらの雀 朝日の光の さきこぬさきに ねぐらをいでて 梢にとまり あそべよ雀 うたへよ雀 三、(1896年追加・作詞者不明)蜻蛉(とんぼ) 蜻蛉 こちきて止まれ 垣根の秋草 いまこそ盛り さかりの萩に 羽うち休め 止まれや止まれ 休めや休め 四、(三番に同じ)燕(つばめ) 燕 飛びこよ燕 古巣を忘れず 今年もここに かへりし心 なつかし嬉し とびこよ燕 かへれや燕
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