和マンチ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/23 16:29 UTC 版)
「テーブルトークRPGのプレイスタイル」の記事における「和マンチ」の解説
マンチキンテキストは日本でもパソコン通信上で話題になり、後に朱鷺田祐介などにより多くのテーブルトークRPG雑誌でも紹介され、この言葉はそれなりの認知度を得るようになる。しかし、その中でマンチキンという概念がマンチキンテキストの意味からはかけ離れた意味で広まってしまうという現象が起こった。 「物語を楽しむことよりも、設定されたルールやシチュエーションを把握した上で自分のキャラクターの強さを追求する、ルール至上主義者なプレイヤー」 これが日本で広まったマンチキンの概念であった。このようにして広まったマンチキンは、原典のマンチキンと区別して@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}「和マンチ」と呼ばれることが多い(原典のマンチキンは「洋マンチ」と呼ばれる)[要出典]。 和マンチの概念が生まれたのは、マンチキンが意味する「自分のPCが有利になるようにあらゆる手段を辞さないプレイヤー」というものが「ルールブックを読み込みゲーム上で自分のPCが有利になるように努力するプレイヤー」までをも含むと誤解されたためだが、この誤解の背景には1990年代前半頃の日本のTRPGユーザーたちの中での派閥対立がある。 1990年代前半の頃は日本のゲーマーたちの間ではリプレイなどの影響もあってドラマ性の高いシナリオの需要が高まっていたにも関わらず、ドラマ性の高いシナリオに対応できるゲームシステムがまだ開発されていない時期だった[要出典]ため、「物語を楽しむことを重視したゲーマー」と「ルール上でのキャラクターの強さを追求することに重視したゲーマー」が同じゲームシステムで遊ばざるを得なかった。嗜好が違う者同士が同じゲームを遊ぶことによる対立がしばしば起こっていた状況の中で、マンチキンという概念が「派閥対立の原因になりうるくらいの行き過ぎたルール至上主義者」を分類するための用語として取り入れられた。 和マンチの概念が広まっていくうちに、マンチキンという言葉は「ルールに精通したベテランゲーマー」という意味でも肯定的に使われるようになっていった[要出典]。これはもちろん、原典の洋マンチの概念からすると完全に逆の意味となるが、「ルールの穴を突いて有利になろうとするプレイヤー」と言う意味でも使われ、『GAME JAPAN』には自らをマンチと称するボードゲームコーナーの執筆者が居た。 ルールに則っている点では洋マンチとは違うが、そのルールには載っていないのでルール違反では無いからとゲームバランスが崩壊しようとも押し通す点は洋マンチと似ている。そのためか、TRPGのルールブックには「ゲームマスターの裁定は絶対」と書かれている物も多い。和マンチプレイヤーの主張に対して、それに即したデメリットの状態や補正、もしくは行動毎に判定を課すなどで対応も可能だが、相手がそのシナリオの欠陥も熟知していた場合、反論が難しく上記のとおりセッションも崩壊する場合もある。和マンチの及ぼしたもので有名なものでは、『ソード・ワールドRPG』の公式リプレイに登場したスイフリーがルールの穴を利用した戦法を多用した結果、その戦法を使えなくするルールが改訂版に満載され「旧ルールの破壊者」とまで呼ばれている。 インターネットの普及によって原典のマンチキンテキストが知られるようになり、原典のマンチキンの意味が知られるようになっていった現在であっても、日本のゲーマーの間では「和マンチ」は洋マンチとは別の存在として認知されており、マンチキンという言葉が和マンチの意味で使われている。近年は上記のような肯定的な意味で使われる傾向も強い。
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