各都市の状況
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 05:40 UTC 版)
ダマスカス シリアの首都。大部分はアサド政権が支配していたが、東グータ等の一部地域では反体制派が実効支配を続け激しい戦闘となっていた。しかし、2018年4月に東グータ全域を政府軍が奪還。反体制派は交渉の末イドリブへ退去、5月には政府軍がイスラム国やタハリール・アル=シャーム等のアルカイダ系武装勢力が支配するヤルムーク・パレスチナ難民キャンプを解放。これにより、ダマスカス及びダマスカス郊外県のほぼ全域がアサド政権支配下に復帰した。 アレッポ シリアの最大都市。 行政機関も多く、アサド政権下で登用された人々が多いアレッポはアサド政権の牙城である。郊外から反体制派が侵攻した時も市民の多くは彼らに反発した。そのため、アレッポでは反体制派と政府軍の間で激しい市街戦が行われた。 戦闘によって世界遺産の町並みは破壊され、多くの市民は街を脱出した。2016年12月に政府軍が奪還しアサド政権の管轄下に戻る。 詳細は「アレッポの戦い (2012-)」を参照 ホムス 内戦初期の反体制派の最大拠点となるが、2012年3月に一度政府軍が平定した。以後も断続的に戦闘が継続したが、政府軍が2015年5月に旧市街を、同12月にホムス最後の反体制派拠点だったワエル地区を奪還したことで、主要地域はアサド政権の管轄下に戻ったが、郊外では依然として反体制派支配地域も残されている。 ラタキア アサド政権の支持基盤であるアラウィー派やキリスト教徒の住民の割合が多く、反政府勢力による散発的な攻撃はあるものの、一貫してアサド政権の統治下にある。戦火を避けるために移住した国内避難民の流入により、内戦後急激に人口が増加した。 ハマー 都市部はアサド政権の統治下にあるが、郊外では依然として反体制派が実効支配している地域も残されている。 ラッカ 2014年8月末にはISILがアサド政権のラッカ県最後の拠点であったタブカ空軍基地を制圧して以来、同組織が首都と位置付けていたが、2017年10月に米軍の支援を受けたシリア民主軍が街を奪還。ISIL壊滅後はシリア民主軍が実効支配。 デリゾール アサド政権とイスラム国による攻防戦がたびたび行われており、2015年から2016年にかけてイスラム国がパルミラを占領した際には陸の孤島と化したが、いずれもアサド政権側が防衛に成功している。2017年9月に政府軍がイスラム国の包囲を破り打通作戦を成功させ補給路を開設し、11月に市全域を奪還。 イドリブ シリア内戦発生以降の反体制派の牙城となっており、アルカイダ系のアル=ヌスラ戦線を前身とするタハリール・アル=シャームが拠点としている。2018年末においてクルド人地域を除く最後の纏まった反体制派支配地域。
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