各レースの展開
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 18:44 UTC 版)
「ガボール・タルマクシ」の記事における「各レースの展開」の解説
序盤戦、タルマクシは上々の滑り出しを見せた。シーズン前のテストでの好調を維持し、開幕戦カタールGPでは2位に入る。第2戦スペインGPではデルビのルーカス・ペセックをフィニッシュライン寸前でかわしてシーズン初優勝を果たす。第3戦トルコGPではラファエル・デ・ロサと接触して5位に終わったが、ライバルたちはより下位に沈んだため、チャンピオン争いでのリードを広げることができた。 タルマクシのGP100戦目となった第4戦中国GPでは、マシンにマイナートラブルを抱えて4位に終わった。このレースではペセックが自身初優勝を遂げ、タルマクシはチャンピオン争いトップの座を奪われることになった。続く第5戦、第6戦でも4位に終わる。第7戦カタルニアGPではライバルのファウベルとペセックが絡んでクラッシュし、2位に入ったタルマクシは13ポイント差でチャンピオン争いのトップに返り咲くことになった。しかし第8戦イギリスGPではエンジントラブルでリタイヤに終わり、第9戦ダッチTTではファウベルに続く3位となった。 第10戦ドイツGPで挙げたシーズン2勝目は、ポールポジションからスタートし、ファステストラップを記録。後続に大きな差を付ける、この年最も完璧な勝利だった。次のラウンド、「準地元」と言える第11戦チェコGPが開催されたブルノには約30,000人ものハンガリー人サポーターが応援に駆けつけ、タルマクシもそれに応えて予選ではポールポジションを獲得したが、決勝では好調を維持できずに4位に終わり、ファウベルの優勝を許すことになった。 第12戦サンマリノGPではパシーニがレースを大きくリードし、タルマクシはシモーネ・コルシ、ファウベルと2位争いを展開した。残り2周となったとき、コルシとファウベルがクラッシュ・転倒し、2位でフィニッシュしたタルマクシは再びチャンピオン争いのトップに立った。 第13戦ポルトガルGPでは、ファウベルがファイナルラップの最終コーナー後にスリップストリームから抜け出てタルマクシを逆転し勝利を収めた。ウェットレースとなった第14戦日本GPではパシーニが優勝、タルマクシが2位、ファウベルが3位に入った。 第15戦オーストラリアGPでは新しいサスペンションのセッティングに苦しみ、この年完走した中では最下位となる8位に終わった。一方ファウベルはこのレースを3位で終え、タルマクシとのチャンピオン争いではわずか1ポイント差にまで詰め寄った。 残り2戦となった第16戦マレーシアGPではファウベルがポールポジション、タルマクシが2番グリッドからのスタートとなったが、スタートからタルマクシが飛び出して他者を大きくリード、貴重な3勝目を上げ、2位にはKTMの小山知良が入った。3位に終わったファウベルはタルマクシに10ポイント差を付けられて最終戦を迎えることになった。 最終戦バレンシアGP、タルマクシがポールポジションを獲得した。決勝ではファウベルが全力を尽くして勝利を果たしたが、きっちり2位を獲得したタルマクシが5ポイント差で逃げ切り、史上初のハンガリー人 (さらにはヨーロッパ中東部諸国でも初) ロードレース世界チャンピオンの栄誉に輝いた。首都ブダペストでは"タルマゲドン" ( Talmageddon ) と題された盛大な凱旋祝勝パーティーが開かれた。
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