右手側の鍵盤について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 05:17 UTC 版)
「アコーディオン」の記事における「右手側の鍵盤について」の解説
ピアノ式鍵盤とボタン式鍵盤の二種類がある。詳しくはアコーディオンの種類の項を参照。 当初、アコーディオンの鍵盤は、他の蛇腹楽器と同様、狭いスペースにたくさんの鍵(キー)を並べることができるボタン式鍵盤が標準であった。また初期のアコーディオンは押引異音式だった。 1850年ごろ、ウィーンのフランツ・ワルターは、3列のボタン鍵盤を並べた押引同音式のクロマティック・アコーディオンを開発した(現在「B配列」と呼ばれるタイプ)。押引同音式のアコーディオンの出現により、ピアノ式鍵盤を装備する可能性が開かれた。 初期のピアノ・アコーディオンはウィーンのマテウス・バウアーによって開発されたが、これとは別個に1880年代のイタリアでも開発された。 ピアノ式鍵盤の特長は汎用性である。ピアノやオルガンなど他の鍵盤楽器と共通なので、入門者もすんなりと弾け、また上級の演奏者も他の鍵盤楽器が長い歴史の中でつちかってきた演奏テクニックを活用することができる。その一方、ピアノ式鍵盤の欠点は、鍵が細長い板状であるためボタン式より広いスペースを必要とすること(小型軽量化には不利)、ボタン式と違い鍵どうしが密接しているため高速のパッセージを弾くとミスタッチが起きやすいこと、などがある。ダイアトニック・アコーディオン日本でアコーディオンと言えばピアノ・アコーディオンを指すことが多いが、外国ではむしろボタン・アコーディオン(ダイアトニック・アコーディオンおよびクロマティック・アコーディオン)のほうが普及している。ただし日本でも、金子元孝以来、クロマティック・ボタン・アコーディオンのプロ奏者は少しずつ増えている。 英国の五月祭の行進。小型軽量のボタン式ダイアトニックアコーディオンを弾く女性たちと、重いピアノ式を弾く男性。欧米ではボタン式とピアノ式の両方とも普及している。 ピアノ式鍵盤の白鍵と黒鍵の配列に似せたボタン式鍵盤。過渡期の方式。1847年。 1885年ごろのピアノ・アコーディオン。鍵盤は現代のタイプに比べると寸詰まりである。 1920年ごろの湾曲型ピアノ鍵盤式アコーディオン。 上は現代型のクロマティック(140個のベースボタンをもつ、コンバーター式フリーベースの機種)。下はバヤン。同じ面積なら、ボタン鍵盤のほうが多くの鍵を詰め込める。
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