右手の持物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 21:39 UTC 版)
錫杖(しゃくじょう)左手にもつ「宝戟」と対をなす。杖の上方に輪をいくつも付けてあり、これを持って歩くと輪が音を発する。元来はインドで山野を歩く際の毒蛇除けに使用したもの。 化仏(けぶつ) 三鈷杵(さんこしょ)中央に握りがあり、両端が三叉になった法具。経典ではこれを持つ手を「跋折羅手」(ばさらしゅ)とする。 青蓮華(しょうれんげ) 楊枝(ようじ)柳の枝。「楊柳」とも。 数珠(じゅず) 月輪(がちりん)経典には「月精摩尼」とある。 宝珠(ほうじゅ)経典には「如意珠」とある。 宝経(ほうきょう)「経篋」(きょうきょう)とも。仏典のこと。 宝印(ほういん) 蒲桃(ぶどう)葡萄のこと。 紫蓮華(しれんげ) 施無畏手(せむいしゅ)持物を持たない手。 宝鏡(ほうきょう) 宝篋(ほうきょう)小箱。「梵篋」とも。 金剛杵(こんごうしょ)「独鈷杵」(とっこしょ)とも。中央に握りがあり、両端に鋭い刃の付いた武器。 鉞斧(えっぷ)「おの」「まさかり」のこと。 宝箭(ほうせん)矢のこと。 胡瓶(こびょう)ペルシャ風の水差し。「宝瓶」とも。 『千手千眼陀羅尼経』では以上の38本の持物をもつ手に加えて「合掌手」と「宝鉢手」を含めて40本の手について言及している。日本における千手観音の実際の造像例を見ると、腹前(坐像の場合は膝上)で2本の手を組み、その上に宝鉢を乗せる形式のものが多い。宝鉢を持つ2本と胸前で合掌する2本の手を合わせて42臂となる。
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