反響・批判
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 02:19 UTC 版)
テイラーは経営コンサルタントとして、いくつかの工場で科学的管理法を指導・実践し、生産高増・労働者の賃金増といった成果を残した。また、テイラーの著書はいくつかの国で翻訳されるなどして世界中に広まった。 しかし、労働組合が「労働強化や(時間研究による)人権侵害につながる」として反対運動を展開、特にAFL(アメリカ労働総同盟)は、1913年と1914年の2度にわたって科学的管理法を拒否する決議を行った。その他にも、「計画と執行の分離」により、ホワイトカラーとブルーカラーとの間に対立構造が出来たとする批判がある。また、心理学や社会学の見地からの考察が無く、効率の追求を重視するあまりに労働者の人間性を軽視している事などの批判もあった。こうした欠点は、後の学者や経営者らの努力で修正・改善が試みられ、経営学の発展に繋がっている。 他にもこの方法論を否定的に見た研究者も存在し、有名な研究者にミンツバーグがいる。また、ミンツバーグの研究は結局、科学的管理法と同じことを論じているに過ぎないとしてミンツバーグの研究を批判する考えをネオ・テイラー主義という。 ウラジーミル・レーニンは1913年の時点で科学的管理法理論について「同じ長さの労働日のなかで以前より三倍以上の労働力を労働者から絞りとろうとする」試みとして全面否定した。しかし、翌1914年にはテイラーの理論を「プロレタリアートが社会的生産のいっさいを掌握し、労働者自身による、あらゆる社会的労働の適切な配分と合理化を目的とする委員会を定める時期を用意するものであった」と評価し、1918年にはその後の革命の成功に不可欠なものと考えるに至った。
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