反訴と2度目の控訴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/23 21:15 UTC 版)
「ユニバーサル・シティ・スタジオ対任天堂裁判」の記事における「反訴と2度目の控訴」の解説
1985年5月20日に任天堂が反訴を提起した際、スウィート判事はユニバーサルが任天堂に「訴訟費用、コピー費用、グラフやチャートの作成に掛かった費用、及び収益の損失」に対して180万ドル支払うことを決定した。また、彼はユニバーサルが任天堂のライセンシーとの間でライセンス契約を行ったことによる任天堂の損害賠償請求については、そのライセンシーが任天堂に対してロイヤルティの支払いを継続している場合には認めない判決を下した。任天堂のライセンシーであるコレコは、独自の反訴を提起した。ユニバーサルはコレコの株式を購入することでコレコに賠償を行った。 ユニバーサルと任天堂はどちらも反訴訴訟を控訴した。この訴訟は1986年6月16日に審理された。 7月15日に判決が下り、裁判所は以前の判決を支持し、確定した。 第一にユニバーサルは自分たちにキングコングの商標権がないことを認識していたにも関わらず、その権利を広く主張した。これは任天堂の権利を故意に、かつ無謀に無視したといえる。 第二にユニバーサルは任天堂への権利主張に留まらなかった。任天堂のすべてのサードパーティのライセンシーに対し、ドンキーコングに関する製品の販売を停止するか、ユニバーサルにロイヤルティを支払うように強要するため、意図的かつ組織的なキャンペーンを行った。 最後にユニバーサルの行為は司法プロセスの乱用に相当し、その意味では一般の人々全体に広く損害をもたらした。ユニバーサルは商業的な結果に応じて、最初にはキングコングはパブリックドメインの一部であると主張し、次にはキングコングはパブリックドメインではなく、ユニバーサルが独占的な商標権を所有していると裁判所に主張した。法廷におけるユニバーサルの主張は、自らが訴えた事実を誠実に信じていたものではなく、法廷を利用して利益を得ることができるという誤った信念に基づくものであった。 — Second Court of Appeals, 1986, 77–8. 任天堂は感謝の印として、カービィに「ドンキーコング」と名付けられた3万ドルのヨットと、「ドンキーコング」をヨットの名前につけられる世界的な独占的な権利を与えた。また、星のカービィシリーズの主人公カービィの名前はジョン・カービィが由来と説明されることがあるが、ゲームデザイナーの宮本茂はそれを否定した上で、正しくは名前候補のリストの中にカービィがあり、それを見てジョン・カービィを思い出し、つながりを感じて選んだというものである。また、カービィによるジョークかもしれないが、ゲーム『星のカービィ』のソフトがカービィに送られたとも言われている。
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