単数基準
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/20 06:23 UTC 版)
代数体 K の基本単数を η 1 , … , η r {\displaystyle \eta _{1},\ldots ,\ \eta _{r}} とし、 l j ( i ) = { log | η j ( i ) | ( η i ∈ R ) 2 log | η j ( i ) | ( η i ∉ R ) {\displaystyle l_{j}^{(i)}={\begin{cases}\log |\eta _{j}^{(i)}|&(\eta _{i}\in \mathbb {R} )\\2\log |\eta _{j}^{(i)}|&(\eta _{i}\not \in \mathbb {R} )\end{cases}}} としたとき R [ η 1 , … , η r ] = | l 1 ( 1 ) ⋯ l r ( 1 ) ⋮ ⋱ ⋮ l 1 ( r ) ⋯ l r ( r ) | {\displaystyle R[\eta _{1},\ldots ,\eta _{r}]={\begin{vmatrix}l_{1}^{(1)}&\cdots &l_{r}^{(1)}\\\vdots &\ddots &\vdots \\l_{1}^{(r)}&\cdots &l_{r}^{(r)}\end{vmatrix}}} とおくと、先に述べた基本単数系になる条件から、 | R [ η 1 , … , η r ] | {\displaystyle |R[\eta _{1},\ldots ,\eta _{r}]|} は基本単数系によらず一定の値である。この値を K の単数基準 (regulator) またはレギュレータという。
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単数基準
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/25 06:32 UTC 版)
「ディリクレの単数定理」の記事における「単数基準」の解説
u1, ..., ur を 1 のべき根を法とした単数群の生成元の集合とする。u が代数的数であれば、u1, ..., ur+1 を R や C への埋め込みとして、Nj をそれぞれ実埋め込み・虚埋め込みに対応して 1, 2 とすると、各要素が N j log | u i j | {\displaystyle N_{j}\log |u_{i}^{j}|} である r × (r + 1) 行列は、どの行の和も 0 であるという性質をもつ(何故ならば、全ての単数はノルムが 1 であり、ノルムの log は、行の要素の和とであるからである)。このことは、任意の列を除去して作られる部分行列の行列式の絶対値 R が除去した列に依存しないことを意味する。数値 R は代数体の単数基準(あるいはレギュレータ)(regulator)と呼ばれる(この値は ui の選び方には依存しない)。この値は単数の「密度」を測るものであり、単数基準が小さければは単数が「多く」存在することを意味する。 単数基準は次のように幾何学的に解釈される。単数 u を、要素 N j log | u j | {\displaystyle N_{j}\log |u^{j}|} からなるベクトルへ写す写像は、Rr+1 の r 次元部分空間の中に像を持ち、要素の和が 0 となる全てのベクトルからなり、ディリクレの単数定理により像はこの空間の中の格子となる。この格子の基本領域の体積は、R√(r+1) である。 次数が 2 以上の代数体の単数基準の計算は、普通は非常に難しいが、現在は多くの場合に計算可能なコンピュータ用の代数パッケージが存在する。普通は類数公式を使い類数 h に単数基準をかけた積 hR の計算は容易であるので、代数体の類数の計算における困難な点は、主に単数基準を計算することにある。
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