北満鉄路の接収と「あじあ号」の登場
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「南満洲鉄道」の記事における「北満鉄路の接収と「あじあ号」の登場」の解説
従来の中東鉄道については、満洲国建国後の1933年5月30日、ソ連と満洲国との合弁事業となったが、満鉄ではこの鉄道を「北満鉄路」と称した。北満鉄路は、ソ連から有償で譲り受け、完全に満洲国の国有鉄道に移管する方針が立てられ、同年6月26日より譲受の交渉が始まった。北満鉄路(中東鉄道)側は、周囲に満洲国国有鉄道の線路網が張りめぐらされて経営困難になっていたのである。ソ連側から北満鉄路の譲渡が打診され、満ソ両国代表にオブザーバーとして日本政府代表が参加したが、譲渡価格がソ連側2億5000万ルーブル(6億2500万円)に対し、満洲国側が5000万円でまったく折り合わなかった。結局、1年以上の交渉を経て1934年9月21日に譲渡価格1億4000万円、ソ連側退職者の資金3000万円の計1億7000万円で妥結し、1935年1月22日に細目協定が成立、同年3月11日に仮調印、3月23日には譲渡協定のほか債務にかかわる満ソ秘密議定書、最終議定書など5件の正式調印を完了して北満鉄路全線の接収がなされた。接収した鉄道線路の総延長は1,732.8キロメートルであった。 北満鉄路の軌間は5フィートであったため、標準軌に改軌する工事が必要で、新京・ハルビン間は1935年8月22日に着手し、29日に準備終了、30日の運転が終了後に作業を開始し、終了予定は翌日8時だったが全部の作業を7時50分に終了して試運転もおこない、ただちに平常業務がなされた。作業参加人員は2,508名、通信設備その他の切り替えもこの時なされ、この工事は満鉄の技術力を示すものとして高く評価された。 1934年、大連 - 新京間に満鉄最初の特急「あじあ」が登場した。最高速度は110km/h、表定速度は82.5km/hで、日本国鉄の特急「つばめ」の平均速度66.8km/hを上回った。大連 - 新京(長春)間701.4キロメートルを8時間半でむすび、従来の急行よりも2時間も所要時間を短縮させた。北満鉄路接収後の1935年9月には運転区間は哈爾濱(ハルビン)まで延長された。
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従来の中東鉄道については、満洲国建国後の1933年5月30日、ソ連と満洲国との合弁事業となったが、満鉄ではこの鉄道を「北満鉄路」と称した。北満鉄路は、ソ連から有償で譲り受け、完全に満洲国の国有鉄道に移管する方針が立てられ、同年6月26日より譲受の交渉が始まった。北満鉄路(中東鉄道)側は、周囲に満洲国国有鉄道の線路網が張りめぐらされて経営困難になっていたのである。ソ連側から北満鉄路の譲渡が打診され、満ソ両国代表にオブザーバーとして日本政府代表が参加したが、譲渡価格がソ連側2億5000万ルーブル(6億2500万円)に対し、満洲国側が5000万円でまったく折り合わなかった。結局、1年以上の交渉を経て1934年9月21日に譲渡価格1億4000万円、ソ連側退職者の資金3000万円の計1億7000万円で妥結し、1935年1月22日に細目協定が成立、同年3月11日に仮調印、3月23日には譲渡協定のほか債務にかかわる満ソ秘密議定書、最終議定書など5件の正式調印を完了して北満鉄路全線の接収がなされた。接収した鉄道線路の総延長は1,732.8キロメートルであった。 北満鉄路の軌間は5フィートであったため、標準軌に改軌する工事が必要で、新京・ハルビン間は1935年8月22日に着手し、29日に準備終了、30日の運転が終了後に作業を開始し、終了予定は翌日8時だったが全部の作業を7時50分に終了して試運転もおこない、ただちに平常業務がなされた。作業参加人員は2,508名、通信設備その他の切り替えもこの時なされ、この工事は満鉄の技術力を示すものとして高く評価された。 1934年、大連 - 新京間に満鉄最初の特急「あじあ」が登場した。最高速度は110km/h、表定速度は82.5km/hで、日本国鉄の特急「つばめ」の平均速度66.8km/hを上回った。大連 - 新京(長春)間701.4キロメートルを8時間半でむすび、従来の急行よりも2時間も所要時間を短縮させた。北満鉄路接収後の1935年9月には運転区間は哈爾濱(ハルビン)まで延長された。
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