動物援助
『小鍛冶』(能) 一条院の勅使が、三条の小鍛冶宗近を訪れて、「御剣を新たに打て」との宣旨を伝える。剣は1人では打てず、すぐれた相槌の者が必要なので、宗近は稲荷明神に祈願する。稲荷明神のお使いである小狐が現われ、相槌となって御剣を打ち上げる。表に「小鍛冶宗近」、裏に「小狐」と銘を刻み、御剣を勅使に捧げた後、小狐は稲荷の山へ帰って行く。
『二十四孝』(御伽草子)「大舜」 大舜は、頑固な父・心ねじけた母によく仕え、孝行な息子だった。ある時彼が歴山で耕作していると、その孝行ゆえに、大象が来て田を耕し、鳥が雑草を取り除いて、手助けをした。
『白蛇』(グリム)KHM17 王女の婿になろうとする若者に、「海へ投げ入れた黄金の指輪を捜せ」「草中にまかれた10袋分の黍を1粒残らず拾え」「生命の木の実を取って来い」との難題が課せられる。若者にかつて救われた3匹の魚が指輪を届け、蟻たちが黍を集め、3羽の烏が黄金の木の実を持って来る。若者は王女と結婚する。
『灰かぶり』(グリム)KHM21 継母が「灰かぶり(シンデレラ)」に、「大皿1ぱいの平豆を灰の中へぶちまけてある。2時間で平豆をすべて拾い出したら舞踏会に連れて行こう」と言う。「灰かぶり」が鳥たちに呼びかけると、鳥たちが来て平豆を拾い出してくれる。継母が「山盛り2皿の平豆を1時間で」と命ずると、それも鳥たちが拾い出す。しかし継母は「灰かぶり」を置いて出かけたので、「灰かぶり」は白い小鳥に祈って美しい衣裳を得、舞踏会へ行く〔*『サンドリヨン』(ペロー)には、豆を拾う話はない〕。
『日本書紀』巻3神武天皇即位前紀戊午年12月4日 神武天皇の軍が長髄彦と闘い、苦戦していた時、金色の鵄が飛んできて天皇の弓先に止まった。鵄は電光のごとく輝き、そのため長髄彦の軍は目が眩んで力戦できなくなった。
★3.動物が、弱い娘を救う。
『潮騒』(三島由紀夫)第9章 川本安夫は、宮田家の娘・初江の婿になるつもりでいた。ところが久保新治と初江が相愛であるらしいことを知り、安夫は、深夜、初江を待ち伏せして、強引に自分のものにしようとする。しかし巣の中の蜂たちが眠りを破られ、初江を組み伏せた安夫の項(うなじ)や尻を刺す。安夫が悲鳴をあげて蜂を追うあいだに、初江は逃れる。
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