剪定・除草・施肥
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 05:32 UTC 版)
サクラは「サクラ切る馬鹿、ウメ切らぬ馬鹿」といわれるように傷口が傷みやすい。実際、台風や人間により太い枝が折られた後に未処置だと傷口から腐って一気に枯れてしまうこともある。このため、しばしば剪定には不向きとされるが、健全な育成のためには枝を間引く適切な剪定はむしろ必要である。大木になってから枝を切ると健康を害しやすいため、植えてから5年目程度までに剪定をして将来の樹形を整えておく必要があり、基本的には剪定ばさみで切れる太さまでの枝のみにする。また、剪定をする時期は落葉後の11月から3月上旬にかけてとする。剪定する対象の枝は、まずは台木から生えていることが多い地際のひこばえや台芽であり、これらを剪定しないと栄養がこれらの集中してしまう。また他の枝に絡みやすいふところ枝とからみ枝も剪定して枝同士が絡んで擦れて傷が付き腐朽することを防ぐ必要がある。また胴吹き枝や1.5メートルから2メートル程度の高さまでにある枝も通行の障害になるため剪定することが望ましい。6年目以降は樹形を乱す逆さ枝も剪定することが望ましい。また枯れ枝も剪定の対象となる。やむを得ず500円玉以上の太さの枝を切る場合は、必ず、切る枝の下側に3分の1程度から切り込みを入れてから上から切り落とし、えりを残して切断面がその枝の幹と平行になるように再度切った後に、切断面に保護材を塗る。 サクラとウメの剪定に関する最大の違いは枝への花の付き方である。枝には1年で数十cm延びる長枝と1cm未満しか伸びない短枝に分かれる。サクラでは長枝には葉芽ばかりがついて短枝に花芽が付く一方で、ウメでは長枝にも花芽を付ける。枝を剪定する際は基本的に短枝が剪定されるので、剪定から数年間は短枝がまだ伸びていないため、サクラは花付きが大きく減少し、ウメは花付きがあまり衰えないという事になる。この剪定後数年間の見栄えの違いにより「サクラ切る馬鹿、ウメ切らぬ馬鹿」と言われることになったとも言われている。 雑草を放置すると、日陰になったり水と養分を奪われたり病害虫の発生源となり健全な成育が阻害されるため、健全な育成のためには新芽の頃から落葉前までに除草する必要があり、特に苗木の頃は早目に対処する必要がある。刈った草を根元に巻くことで土壌の乾燥を防ぎ、次の雑草の繁殖を抑制することができる。 健全な育成のために、寒肥として落葉期間中の施肥が必要である。まずはサクラの幹を中心に半径1メートルの円状を内径として設定した後、面積1平方メートル等分になるように同心円状に外径を設定する。そして内径と外径の間の1平方メートルごとに深さ・直径20センチの穴を1つずつ掘り、その中にNPK10-10-10の肥料200から300グラム入れて埋め戻す。
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