列車別改札
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/01 01:29 UTC 版)
列車別改札(れっしゃべつかいさつ)は駅の改札口の出入りを常時行わず、1本か2本の列車の発着ごとに行う方式である。この場合、発車時刻の何分か前から発車間際まで改札を行い、他の時間は改札口が閉まっている。不正乗車の防止、乗降ホームの閉鎖による安全管理・コスト対策、旅客の誤乗(乗り間違え)防止が主目的とされる。このような方式は北海道に多く、稚内駅(早朝深夜は無人)や網走駅、留萌駅、新得駅などで見られる。この場合、忘れ物などを除き写真撮影や送迎などでも原則としてホームに立ち入ることはできない。列車別改札方式は主に列車本数の少ない駅で行われることが多いが、当然ながら本数が増えれば方式そのものが困難となるため、地下鉄など都市内鉄道では行われない事例がほとんどである。また博多南駅やガーラ湯沢駅のように、自動改札機設置駅でも採用している例があり、この場合は改札が開始されるまで実質的に乗車券類投入ができない状態となる。 日本では、鉄道草創期は列車本数が少ない事から各列車の発着ごとに改札を行っていたが、電車により頻発運転が可能となった区間では待合室の混雑など実施が困難になり、順次廃された。例えば上野駅(いわゆる国電を除く)では1954年まで、名古屋駅では1960年まで 実施していた。現在では北海道・東北地方の一部の駅、ケーブルカー等で各列車発車時刻の5 - 20分前から改札が行われている程度である。 韓国では、韓国鉄道公社 (KORAIL) の長距離列車では列車別改札が基本で、韓国高速鉄道 (KTX) 運行区間の駅に自動改札機が導入された時点でも変化はなかった。そのため、改札開始放送がある前に自動改札機に乗車券を入れると、エラーメッセージが出て改札が閉まる。しかし、トラブル多発により自動改札機の使用は中止され、事実上の信用乗車方式となっているため、一部地方駅を除いて、列車別改札は行われていない。
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