刃物の木屋
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/21 01:30 UTC 版)
刃物の木屋は寛政4年(1792年)4月を創業と公称している。これは、伊勢国桑名出身の初代加藤伊助が本家木屋に暖簾分けを許された時である。暖簾分けの店舗はそれぞれ本家と異なる業種を担うしきたりがあり、伊助店では出身地桑名の名産打物を扱った。 戦前は分家として1月15日本家木屋に挨拶に向かう慣習があるなど、飽くまで分店としての立場であったが、戦後本店が暖簾を下ろしてからは、木屋を名乗る店は木屋刃物店のみとなった。 日本橋区室町二丁目10番地にあった店舗は明治までは黒い伝統的な商家で、震災後煉瓦造の店舗を構えたが、戦中の強制疎開で取り壊された。 他の木屋が次々と廃業する中、木屋刃物店は戦後も営業を継続した。三越本館の増築に伴い通りの対面に移転し、1954年(昭和29年)末に新社屋木屋ビルディングで営業を開始した。 創業家一族で現会長の加藤俊男は1950年(昭和25年)早稲田大学理工学部応用金属学科を卒業して木屋に入社、金属に関する専門的知識を活かし、ステンレス庖丁エーデルワイスシリーズ、粉末製鋼法を使ったコスミック團十郎シリーズなどを開発するなど、革新に取り組んだ。 2009年(平成21年)、俊男の甥の加藤欣也が代表取締役社長に就任した。 2010年(平成22年)10月28日、日本橋室町東地区開発に伴い、本店が先行して竣工したコレド室町に移転した。
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