処理防止信管の型式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/08 08:37 UTC 版)
通常、多様な信管が使われることで、異なる種類の処理防止装置が作り出される。以下は処理防止装置として使われる信管型式の一覧である。 牽引式信管。 ― これらは一般的に、地雷の側面または底面に配された副信管孔に挿入される。この信管は通常、大地と接続された細いワイヤーに接続しているため、地雷が持ち上げられたり、移動させられたり、どのような形であれ妨害される時にワイヤーが自動的に引かれる。すると単純な構成の牽引式信管では、スプリングを装着した撃針が解放される。より洗練されたバージョンは電子的に作動するもので、電圧の低下を検知するブレーキワイヤー・センサーを特徴としている。いずれの方法でも、隠されたワイヤーを引くことで起爆する。 除去防止信管。これらはしばしば、対戦車用地雷の底面に配された予備信管孔に搭載される。地雷を持ち上げたり移動させる行為により、圧縮状態の撃針が解放されて起爆を引き起こす。M5汎用発火装置は除去防止信管の古典的な例である。ねじ山は標準ゲージで切られていることから様々な弾薬に接続することができ、M26手榴弾からM15対戦車地雷に及ぶ。 傾斜/振動スイッチ ― これはセンサーが一定角度を越えて傾斜するか、振動の影響を受けた際に爆轟の引き金となる装置の、その内部に挿入されている信管である。典型的なものには振り子式の装置や、スプリングを装着した「振動子」、または水銀スイッチがあり、これらの検知に用いられる。 地雷探知防止信管 ― 第二次世界大戦中に開発されたもので、金属探知機の磁場を検知する。 電気式信管 ― 最新の電気式信管は処理防止機能を導入する可能性がある。一般的にこれらの信管は、以下のセンサーのうち1種類以上が導入されている。振動、磁気、感光、感熱、音響などである。これらの信管は、さまざまな種類の地雷除去行為、つまりマインフレイルや鋤の作動、または爆薬の爆発を区別できる可能性があり、地雷処理者が処理を行おうとした際を選んで炸裂する。加えて電気式信管には自爆機能をあらかじめ組み込んでおく可能性がある。たとえば処理者が装置を無力化しようと試みる一方で、時限発火式に設計されたいくつかの型式の信管は埋設の後、日単位、あるいは月単位でさえも起爆期限を設定しておくことができるというものである。自爆機能を持つ信管は当然、処理防止装置として働くものではないが、こうした装置はEODの工程に余計で複雑な要素を加える。
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