再借用に準ずるプロセスとその形態素
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/16 06:14 UTC 版)
「再借用」の記事における「再借用に準ずるプロセスとその形態素」の解説
再借用に似たプロセスとして、ある言語内(P)で別の言語(Q)の要素を元にして新たな単語が作られ、それが言語Qや後世の後継言語(R)に借用されるケースがある。これは、西洋の言語では、古典語のラテン語(Q)や古代ギリシア語(Q)基盤の造語で頻繁に起きるケースであり、ラテン語(Q)基盤の新造語がその後継言語であるロマンス系言語(R)に借用されたり、古代ギリシア語(Q)基盤の新造語が現代ギリシア語(R)に借用されたりする。このうち、ラテン語系の語彙は多くの言語にすでに拡散されているため、ラテン語(Q)基盤の新造語が英語(P)やドイツ語(P)などの非ロマンス系言語で作られてそれがロマンス系言語(R)(フランス語・スペイン語など)に借用される、というケースはさほど目立ったものではなく、むしろ多いのは、古代ギリシア語(Q)基盤の新造語が近現代になって創出され、それが現代ギリシア語(R)へ戻って借用されるケースである。例としては現代ギリシア語のτηλεγράφημα(telegráfima、「テレグラム」)がある。 これと似たプロセスが特に顕著に現れるのは中国語と日本語の間で起きるケースである。19世紀後半から20世紀にかけて、日本語(P)では中国語(Q、古い時代の中国語)基盤の造語が数多く作られ(和製漢語)、それが現代の中国語(R)へ戻って借用された。また、中国語に古来から存在した漢語において、日本語で新たな語義が獲得され、その語義が元の中国語に「意味論的借用」として追加されるケースもあり、この例には「文化」「革命」などがある。
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