公伝以前の状況
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 03:27 UTC 版)
ネパールのルンビニで生まれた仏教は、主として東南アジア方面(クメール王朝、シュリーヴィジャヤ王国)に伝播した南伝仏教と、西域(中央アジア)を経由して中国から朝鮮半島などへ広がった大乗仏教(北伝仏教)に分かれる。古代の日本に伝えられたのは、主に北伝仏教である。中国において紀元1世紀頃に伝えられた仏教は、原始ネパール仏教の忠実な継承にこだわることなく、戒律や教義解釈などで独自の発展を遂げた。特に4世紀における鳩摩羅什(クマーラジーヴァ)の翻訳による漢訳仏典の充実は、漢字を共通の国際文字として使用する周辺諸国への北伝仏教を拡大した。南北朝時代には三論宗・成実宗などの経学が流行し、これらの流れがさらに東へ伝播していく。北魏の孝文帝や「皇帝菩薩」と称された梁の武帝など、仏教拡大に熱心な皇帝も現れ、周辺諸国への普及も加速した。
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