光化学系IIにおける反応とは? わかりやすく解説

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光化学系II(PSII)における反応

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/29 04:23 UTC 版)

光化学反応」の記事における「光化学系IIPSII)における反応」の解説

光化学系IIPSII)では水の光分解行い酸素発生し得られ電子プラストキノンplastoquinone)に伝達する反応が行なわれる同時にプロトン濃度勾配形成行なっている。PSII pigment-protein complexヨハン・ダイゼンホーファーロベルト・フーバーハルトムート・ミヒェルらが三次元構造決定し2002年には日本沈建仁岡山大学)、神谷信夫大阪市立大学)らのグループ2004年ロンドンBarberらのグループそして2005年ベルリンのZouniおよびSaengerらのグループによるX線結晶構造解析によって、その構成明らかになりつつあるが、全構成要素帰属、特に マンガンクラスター呼ばれる活性中心詳細な構造明らかになっておらず、光エネルギー産業的利用の面からもさらなる分解能構造解明待たれるところである。 反応中心反応中心P680、4つクロロフィル=マルチマーモデル) アンテナ色素タンパク質 酸素発生寄与する考えられる3種類のサブユニット 他、機能不明の数種のサブユニット 水の光分解活性中心としてマンガン、他カルシウム塩素といった無機イオン PSII紅色光合成細菌反応中心bacterial photosynthetic reaction centerbRC)と配列類似性が高いと言われている。以下に、反応ステップ詳細述べる。 アンテナ色素タンパク質によって集光された680 nm波長の光でクロロフィル反応中心クロロフィル励起される。 クロロフィルマルチマーから電子放出されフェオフィチンPheoD1へ電子移動する電子プラストキノンQAさらにプラストキノンQBへと移動するQBは2回還元されてQBH2を形成した後、タンパク質内の結合サイトから離脱、キノンプールへ移動する。 2.の反応共役してマンガン・カルシウムクラスター (Mn-cluster) が酸化される。マンガンクラスター酸化状態は最も酸化度の低いS0状態からS1、S2、S3とさらに酸化された状態をとることができる。最終的に遷移状態S4経てS0状態に戻る際に、水分子マンガンクラスター上で酸素分子酸化される。 S0状態が最も酸化度は低いが、通常マンガンクラスター通常S1状態での存在がもっと多く見受けられる。これは、YZと対の関係にあるYD (D2-Tyr160, TyrD) がS0状態をS1状態に酸化するためであるといわれている。 P680近傍のチロシンD1-Tyr161あるいはTyrZ、YZ電子伝達され、マンガンクラスターS4状態で分解して還元S0状態に戻る。 光化学系IIにおける収支式は以下の通りである。 12H2O + 12プラストキノン (PQox) → 24H+in + 6O2 + 12プラストキノール(PQred、還元プラストキノン

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