儒学者羅山とは? わかりやすく解説

儒学者羅山

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/20 18:41 UTC 版)

林羅山」の記事における「儒学者羅山」の解説

林羅山学問は、漢唐の旧注から陸象山王陽明の学におよび、諸子百家から日本の古典にも通じたが、南宋朱熹朱子)の学問朱子学)がその中心であり、特に師の藤原惺窩没後明確に朱熹理気論太極理気の論)の立場立った羅山は、朱子学者として、万物は「理」と「気」から成るとする理気二元論説き理法が諸現象支配するのと同様に理性情欲支配することを理想とした(『三徳抄』)。そして、天(理気未分太極)を自然・人文のいっさい事物内在化し、かつ天は気によって万象創造し理によって万象主宰するのであるとして、この天のはたらき、すなわち「天道」をたすけることこそが人道であってこの人道の実践履行が「格物」より始まると説いた羅山人間論は、人間は、天理を受け、その本性は善であるが、情欲のために覆い隠されているために充分に発揮できないとするもので、学問によって宇宙をつらぬく理をきわめ、修養によって情欲取り去るべきことを主張したまた、万象を貫く道徳的属性考え立場立って幕藩体制下身分秩序とそこにおける実践道徳形而上学的に基礎づけた。『春鑑抄においては宇宙原理である理は、人間関係では身分として現れるとして上下定分の理説いて士農工商身分制度正当化したが、これは、幕藩体制根幹をなす身分秩序絶対化の理論であった羅山は、同書で、国をよく治めるためには「序」(秩序序列)を保つため、「敬」(つつしみあざむかない心)と、その具体的な現れである「礼」(礼儀法度)が重要視されるべきことを説き、持敬(心のなかに「敬」を持ち続けること)を強調している(存心持敬)。羅山は、宇宙原理である理をきわめれば、内に敬、外には礼として現れる説き、敬と礼が人倫基本であり、理と心の一体化説いたのである居敬窮理)。 羅山朱子学中国から直輸入したものではなく豊臣秀吉朝鮮出兵契機流入した朝鮮朱子学自覚的選択的に摂取したのであるとされている。なお、「羅山」の号も、朝鮮本の『延平問答』に由来するものである。

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