信仰内容の概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 22:37 UTC 版)
正教会は、イイスス・ハリストス(イエス・キリストの中世ギリシア語および教会スラヴ語読み)の十字架刑による死と復活の証人とされる使徒達の信仰と、使徒達から始まった教会のあり方を唯一正しく受け継いでいると自認している。正教会は、神の啓示を信仰の基盤とし、連綿と受け継がれてきた神による啓示に基づく信仰と教えを、聖伝と呼び、聖伝を伝えていくにあたっては、聖神(聖霊)の導きがあるとする。また正教会においては、キリスト教は復活の福音に他ならないとされる。 正教会における聖伝の本質は、教会を形成していく人々の生きた体験の記憶である。聖書・聖師父の著書・全地公会議の規定・奉神礼(祈祷書・イコン・聖歌なども含む)等は個々別々な現れであり、これらの構成要素を集積しても聖伝全体とはならない。なお正教会において聖書は、聖伝の中核であり、使徒らが残した最も公的な啓示と捉えられている。 正教会においては、信仰は神の存在を認めることにとどまらず、神の慈愛に自らを委ねることであり、行いを伴う信仰が本来の意味における人間の完成を実現し、周囲を明るく照らすものであるとされる。信仰を自分のものとするかしないかは、その人自身の自覚と努力する意志によるとされる。 教会に属する全てのものは機密的で神秘的なものとされる。特に聖体機密は「機密の機密」ないし「教会の機密」と呼ばれ、教会生活の中心と理解される。 詳細は「機密 (正教会)」を参照 正教会が信じている内容を簡単かつ適切な言葉で表していると位置づけられるのが、日本正教会では単に信経(しんけい)と呼ばれるニケヤ・コンスタンチノープル信経である。 「正教はハリストスの復活のいのちそのもの」「いのちは言葉では伝わらないこと」から、正教について言葉で説明し尽くすことは出来ないことが強調される。 「復活 (キリスト教)」、「聖伝」、「神の像と肖」、および「共働」も参照
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