保護基としての利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/02 07:34 UTC 版)
ベンゾイルエステルは酸性条件などに対してかなり安定で、水酸基の保護基としてしばしば利用される。アセチル基に比べ加水分解条件、求核剤などに対して比較的安定であるので、保護基として耐久性が求められる場合によく用いられる。ベンズアミドの形でアミノ基の保護基としても用いられるが、脱保護に強い加水分解条件が必要なので水酸基の場合に比べ利用は少ない。 ベンゾイル化 アルコールに対し、ピリジンやトリエチルアミンなどの塩基存在下、塩化ベンゾイルを作用させることで合成する。 脱保護 酸性または塩基性条件でのエステルの加水分解反応で脱保護できるが、アセチル基などに比べ強い条件(メタノール中水酸化ナトリウム水溶液と加熱など)を必要とする。このため水素化アルミニウムリチウムやジイソブチルアルミニウムヒドリドなどの強いヒドリド還元によって除去することが多い。水素化ホウ素ナトリウムなどの弱い還元剤では切断されない。
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保護基としての利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/15 13:54 UTC 版)
「tert-ブチル基」の記事における「保護基としての利用」の解説
ヒドロキシ基やカルボキシ基をそれぞれ tert-ブチルエーテルや tert-ブチルエステルとして保護するのに用いられる。共に強酸性条件で切断される。前者は塩基性加水分解条件、求核剤、ヒドリド還元、接触還元などの条件に全く安定である。後者もそのかさ高さのため、通常のエステルに比べ加水分解や求核剤に強く、接触還元などに対しては安定である。 tert-ブチル化 アルコールやカルボン酸を適当な溶媒に溶解し、触媒量の硫酸存在下イソブテンを吹き込みながら反応させる。tert-ブチルエステルはカルボン酸とtert-ブチルアルコールの縮合などによっても得られる。 一方 N-tert-ブチル基やS-tert-ブチル基は酸性条件下でも安定で除去が困難な場面が多いため、通常 tert-ブチル基はアミンやチオールの保護基としては用いられない。 脱保護 トリフルオロ酢酸または4規定塩酸-酢酸エチル溶液などを作用させる。通常、tert-ブチルエーテルや tert-ブチルエステルの酸による加溶媒分解はアルコールやエステルカルボニルの酸素原子がプロトン化を受け、炭素−酸素結合の開裂によってtert-ブチルカルボカチオンが生成する機構(E1機構)にて進行する。副生成物はイソブテンのみであるため、単に溶媒を留去するだけで収率よく脱保護体が得られる。ただしスルフィド基などが存在すると tert-ブチルカルボカチオンが硫黄原子に付加するので、tert-ブチル基のスカベンジャー(捕捉剤)を脱保護の際に必要とする場合もある。
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保護基としての利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/26 02:39 UTC 版)
アセチル基は酸性条件などに対してある程度の耐久性を持つため、水酸基の保護基としてしばしば利用される。塩基、求核剤などには一般に弱い。アミノ基の保護基としても用いられるが、脱保護に強い加水分解条件が必要なので水酸基の場合に比べ利用は少ない。 アセチル化 - アルコールに対し、ピリジンやトリエチルアミンなどの塩基存在下、塩化アセチルや無水酢酸を作用させることでアセチル化できる。 脱保護 - 酸性または塩基性条件でのエステルの加水分解反応で脱保護できる。一般にはメタノール中炭酸カリウムを作用させるなどの条件がよく用いられる。また水素化アルミニウムリチウムやジイソブチルアルミニウムヒドリドなどの強いヒドリド還元によっても除去される。水素化ホウ素ナトリウムなどの弱い還元剤では一般に切断されない。 アセチル基はもっとも穏和な条件で脱保護できるが、逆に言えば外れやすいため、厳しい条件や長工程の反応には向かない。この場合にはさらに強固なピバロイル基やベンゾイル基が用いられる。
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