保存の議論と進展
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 00:51 UTC 版)
列車転落事故後に風速規制が強化されたことから運休や遅延が相次ぐようになり、その対策として防風柵の設置が検討されたが長期的な安全性を考慮して架け替え案が採用されることになった(詳細は後述)。架け替え後の旧橋梁の処遇については、近代土木遺産としての価値があることや、余部橋梁の雄姿と事故の教訓を何らかの形で後世に伝えていくことが求められ、架け替え前の段階から、一部を取り壊さずに残す構想や、記念館を建設する案が出され、地元自治体などでつくる余部鉄橋利活用検討会が設けられ議題となっていた。 地元住民の中には旧橋梁を保存することについては否定的な見解を持つ人、観光客のモラル低下や列車転落事故の記憶から「静かにしておいてほしい」と考えている人、安全面の不安から保存に反対している人もいた。その一方で、同じ余部地区住民でも橋梁から少し離れた場所では「昔からある風景がなくなるのは寂しい」と惜別の声も上がっていた。 橋脚保存について、現位置での望ましい残し方を4パターンに絞って様々な観点から検討された結果、兵庫県は2009年(平成21年)3月に餘部駅寄りの3本の橋脚・桁を残すパターンを採用すると発表。さらにその部分を利用して鉄橋展望台「空の駅」として保存活用することや、地域資源の特性に応じた5つのゾーンを設定し、鉄橋記念施設・道の駅・自由広場・水辺公園・散策路などを整備して余部鉄橋の物語を継承していくことや、地域活性化を図る方針を併せて発表した。この「空の駅」は、2013年5月3日から供用開始された。空の駅に関しては空の駅、観光資源としての側面も参照。
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