たいがいしょうげきはけっせきはさい‐りょうほう〔タイグワイシヨウゲキハケツセキハサイレウハフ〕【体外衝撃波結石破砕療法】
体外衝撃波結石破砕術
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/30 02:21 UTC 版)
体外衝撃波結石破砕術(ESWL)は、負担の少ない治療法で、登場により尿路結石の治療は劇的に変化した。体外の装置によって造られた衝撃波(音波の一種)を結石にむけて集中させて結石を砕き、砂状にして尿と一緒に体外へと排出させる治療法である。 1回当たり、約30-60分の治療時間で複数回行うこともある。膀胱や尿管に尿を溜めて、衝撃波を加えた方が効果的である。また、周辺の消化器にガスが溜まっていたり、肥満など脂肪によって衝撃が緩和され、効果が下がることもある。衝撃波を加えた直後には血尿が排泄されるが、心配はいらない。 3-4日の入院が必要になることもあるが、結石の種類や大きさによっては、一泊入院や日帰りでの体外衝撃波結石破砕術を行っている医療機関もあり、この治療方法のさらなる普及が望まれている。この際、ガーゼなどで覆った蓄尿瓶を使って、結石排出の有無を確認する。 この治療には診療報酬が適用される。しかし、費用は3割負担の場合でも8万円前後(高額療養費適用前)かかり、また一箇所の結石破砕を何回行っても一回分の点数請求しかできない。また、生命保険会社によっては、当該手術を保険金支払除外手術としている所もある。 当初は、潜水艦攻撃のための音響兵器として考案されたが実用化されず、医療機器に応用された。西ドイツのドルニエ メドテックによって1980年代に初めて製品化され、その後破砕装置が一般化した。日本では1984年に、北海道札幌市にある三樹会病院で、丹田均らにより初めてESWL装置が導入され、治療が開始された。ESWL日本第一号機であるドルニエ製HM-3は、三樹会病院に現存している。
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