低気圧が発達した要因
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 08:54 UTC 版)
「2012年4月の低気圧」の記事における「低気圧が発達した要因」の解説
この低気圧は日本海を発達しながら東進して、日本に南寄りの湿った風と雨をもたらす日本海低気圧に分類される。このように日本海上で発達する例は珍しくはないが、この低気圧は2日21:00 (1006hPa)から3日21:00 (964hPa)の24時間で42hPaも低下しており、気象研究所によると日本海低気圧としては「飛びぬけて大きな値」であり、報道によると1995年(平成7年)11月以来約16年ぶりの急発達を記録した。 モデル解析や再現等に基づく気象研究所の見解によると、以下のようにいくつかの要因が考えられている。 発達初期の低気圧西側に気圧の谷(トラフ)があったこと - 気圧の谷と低気圧中心の位置解析結果から。 上記の気圧の谷が、上空に行くほど気圧の低下が大きい強いものであったこと - 500hPa高度、対流圏界面の解析結果から。 大気下層(高度500m付近)で南から低気圧へ向かうエネルギーの大きい暖湿流があったこと - 925hPa面の水蒸気フラックス量・風分布から。 上記3つのように低気圧西側は強い気圧の谷、東側は潜熱加熱を伴う上昇気流帯となったため、低気圧中心付近で傾圧が大きい強力な循環場が形成されていたこと - 対流圏界面の解析結果から。 発達中期から後期の低気圧で、寒気核から暖気核へ、熱的非対称型から熱的対称型へという、熱帯低気圧の性質に近づくような構造変化が起きたこと - 低気圧位相空間の解析による。熱帯低気圧で起こる温帯低気圧化とは逆の変化。風が強まる要因となった。
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