いそうさ‐エーエフ〔ヰサウサ‐〕【位相差AF】
位相差AF
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/23 10:15 UTC 版)
位相差AF方式は、入射光を2つの画像に分割し、結像した2つの画像の間隔からピントの方向と量を判断する方式である。 入射光の分割にセパレータレンズを必要とし、また専用の位相差AFセンサーを必要とするため、位相差AF方式は一眼レフカメラに搭載される(像面位相差AF(後述)を除く)。AFセンサーはカメラの底部に搭載され、システムはカメラの底部のAFセンサーに光を向けるために、ビームスプリッター(主反射ミラーの一部を半透過領域とし、入射光をAFセンサーに送る小さな副鏡と組み合わせて構成される)を使用する。 2つのマイクロレンズはレンズの反対側から来る光線を捕捉し、それをAFセンサーに向けて、レンズの直径内に基線を持つ簡単なレンジファインダーを作り出す。 次に、2つの画像を同様の光強度パターン(山と谷)について分析し、誤差を計算して被写体が前ピンか後ピンにあるかどうかを調べる。 これによりフォーカスリングの移動量と移動方向を判断する。 コントラストAFと比べて、以下のような利点と欠点がある。 利点:高速なAF動作が可能であり、動きのある被写体を撮る際に有効である 欠点: 一眼レフカメラにしか搭載できない ミラーで光を分岐させる必要があるため、反射ミラーを上げる必要がある動画撮影やライブビュー撮影では使用できない 測距点を多くすることが難しく、AF可能な位置は主に中心部に限られる 実際の画像を使用せずにAFを行うため、AF精度は劣る 原理的にセンサーに入る光の量が少なく、低照度でのAF動作を苦手とする 上記の通り欠点は多いが、動きのある被写体はコントラストAFが苦手とするシーンであるため、高速なAFが可能という利点は極めて大きく、スポーツ撮影や動物撮影などを行う場合は必須と言える。 AFセンサーは一般的に1次元の感光性ストリップ(高さが数ピクセル、幅が数十ピクセル)であるが、近年のカメラ(キヤノン EOS-1V 、キヤノン EOS-1D 、ニコン D2Xなど )では矩形のTTL-AREA-SIRとなっており、より精細な解析のために2次元の明暗度パターンを提供する。 クロス測距点は、互いに90°の方向を向いた一対のセンサーを有するが、一方のセンサーは通常他方のセンサーよりも大きな開口を必要とする。 いくつかのカメラ(ミノルタ7、キヤノンEOS-1V、1D、30D / 40D、ソニーα700、α850、α900など)には、プリズムとセンサーを追加した「高精度」焦点がいくつかある。特定の開口(通常はF値2.8以上)を持つ「高速レンズ」でのみ有効である。 高い精度は、「レンジファインダー」の有効な基線長の幅広さからもたらされる。
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