位相差像
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/24 14:33 UTC 版)
こうして得る像のうち、背景が明るく/試料が暗く観察されるものをポジティブコントラスト・背景が暗く/試料が明るく観察されるものをネガティブコントラストと呼ぶ。一般的にはポジティブコントラストは細胞中の細胞核などの大型構造物に、ネガティブコントラストは顆粒・粒状の構造の観察に向くとされる。 背景と試料との境界部分にはハロと呼ばれるオーラ状の光が発生する。ハロは試料と背景とのコントラストを上げ、可視性を向上させる。その一方でハロの発生は境界部分の微細構造に対する解像度を下げるという問題点もある。この問題については位相リング部の減光度を調整することによって対処が行われる。具体的には減光度を調整した対物レンズを数種用意し、適正なコントラストのものに交換する。 位相差をコントラストに変換して用いる顕微鏡として他に微分干渉顕微鏡がある。比較については微分干渉顕微鏡#位相差顕微鏡との比較を参照のこと。大まかにいうと、位相差顕微鏡はコントラストが試料の厚さに対応するのに対し、微分干渉顕微鏡は試料の屈折率に対応して変化する。 位相差顕微鏡の問題点として、原理上の問題から照明光の一部しか観察に利用できないことが挙げられる。このため観察される像は暗い。この問題に対処するため照明光源には強力なものが必要となる。
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