位相幾何学におけるフィルター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/23 10:05 UTC 版)
「フィルター (数学)」の記事における「位相幾何学におけるフィルター」の解説
「集積点」も参照 位相幾何学や解析学において、距離空間での点列の収束の類似として、一般的な収束の概念を定式化するためにフィルターが用いられる。 位相空間 X の点 x があたえられたとき、 x の近傍すべてを取ることで X 上のフィルター Nx が得られる。X 上の(固有)フィルター F で Nx より細かいものは x に収束しているといわれ、F → x とかかれる。フィルター F と G について、G が F より細かく、F → x となっていれば明らかに G → x も成り立っている。また、点 x の任意の近傍がフィルター F の任意の元と交わるとき、つまり任意の M ∈ F についてx が M の閉包に入っているとき、x は F の集積点だという。この状況は Nx と F のどちらよりも細かいフィルターが存在する、として言い換えられる。 また(適切な公理を満たす)収束フィルターとその収束先の組全てからなる族が与えられたとき、そこから位相を定義することが出来る(その点に収束するフィルターの共通部分として近傍系が定義される)。このことから位相空間論の諸結果は次のように全てフィルターを用いた議論に言い換えられる: X 上の任意のフィルターの極限が高々一つ(つまり、多くても一つの点にしか収束していない)のとき、およびそのときに限って X はハウスドルフ空間になる。 位相空間のあいだの写像 f が点 x で連続になるのは、F → x ならば f(F) → f(x) となっているとき、およびそのときに限る。 X が(準)コンパクトになるのは任意の超フィルターが収束しているとき、およびそのときに限る。
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