任官とコレギウム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/06 06:24 UTC 版)
「インド最高裁判所」の記事における「任官とコレギウム」の解説
憲法に基づき、1982年、1993年、1998年の「Three Judges Cases」の判決で示されたとおり、裁判官は、コレギウム(最高裁判所長官、4人の最先任最高裁判所裁判官、及び被任命者に予定されている最先任の高等裁判所裁判官からなる、非公開の協議体)の推薦に基づいて大統領によって最高裁判所に任官される。 この手続きは、任官手続に関する覚書となっている。 かつては、裁判官は内閣の助言に基づいて大統領によって任命されていた。1993年(Second judges' Case)以降、大臣や行政官は、誰を推薦することもできなくなり、 大統領は、最終的に、裁判官のコレギウムに推薦された候補者リストの中からのみ、任命するようになった。同時に、上記判決が示したとおり、行政官は、推薦者を拒否する権限を与えられた。しかし、行政は、裁判所から推薦された候補者を拒否する権限の行使に消極的であるといわれている。 このコレギウムシステムは、多くの批判にさらされている。2015年には、議会では、コレギウムを廃止して国家裁判官任命委員会(National Judicial Appointments Commission、NJAC)を創設する法律が可決された。この法律は、Fourth judges' Caseにおいて、新制度は、司法の独立を弱体化するものとして、最高裁判所により違憲無効とされた。 従来のコレギウムシステムが復活するにあたり、裁判所は、裁判官の転勤と同様に、任命の資格基準を設定すること、候補者資料を選別してコレギウムを助ける恒久的な事務局、選任方法の透明性を高めること、不服申立て、その他この4項目以外の点について、どのようにコレギウムシステムを改善すべきか一般市民から広く意見を募った。 その結果、裁判所が政府に意見を聞き、コレギウムは、上記の点を組み込んだ手続覚書をまとめた。 2009年、高等裁判所裁判官の任命についての推薦が、その高等裁判所のコレギウムによってなされたところ、最高裁判所において忌避された。その裁判所は、誰が裁判官になるかは事実問題であり、誰であれ質問する権利があるとした。しかし、誰が裁判官になるかは見解の問題であり、質問はできないとされた。ある意見に至るにあたって効果的な協議がコレギウム内で行われる限り、その意見を形成するために事前に提示された内容や資料は、精査するために裁判所で要求することはできない。
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