仙台弁と「うる星やつら」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 10:07 UTC 版)
漫画・アニメの「うる星やつら」の登場人物であるラムが、語尾に 「〜だっちゃ」 とつけるため、ラムは仙台弁を話していると思われがちであるが、仙台弁では自分のことを「うち」とは言わないし、疑問文における「〜け?」の使い方も微妙に違う。また、アニメ版におけるイントネーションに到っては、全く以って仙台弁(旧仙台弁)ではない。作者が新潟県出身のため佐渡方言ではとの誤解も流布しているが間違いである。富山県では「だっちゃ」、「やちゃ」のほか語尾に「~け」を用いるが「うち」は用いない。しかし石川県では「うち」を用いるため、ラムの言葉は能登の言葉に近い。 しかし、「うる星やつら」の作者である高橋留美子(新潟市出身) によると、「ラム語」の語尾になっている「〜だっちゃ」「〜っちゃ」は、井上ひさしの小説の登場人物の言葉からヒントを得たとのこと。井上ひさしは山形県で生まれたが、幼少期から仙台市のラ・サール・ホームで育ち、自身の小説の中で仙台弁(旧仙台弁)を多用している。 つまり、「ラム語」は、『作者の高橋留美子による「人工言語」であるが、有名になった語尾の「〜だっちゃ」は旧仙台弁由来』 ということになる。旧仙台弁の語尾の「〜だっちゃ」が、前述の核家族二世型仙台弁にも受け継がれて多用されている上、イントネーションが共通語・標準語化した現在の新仙台弁は、人工言語であるラムの言葉と結果として似てしまった。そのため、男性が新仙台弁を他の地方で話すと、「ラムと同じ言葉を使っている」とか「女言葉みたい」と言われることがある。 なお、語尾に「〜だっちゃ」・「〜っちゃ」をつけるのは、仙台弁の他に新潟県の佐渡弁、鳥取県の因州弁でもみられる。語尾に 「〜ちゃ」("だ" が入らず促音化しない)を付ける方言には、富山弁、山口弁、北九州弁および九州東部の豊日方言(宮崎弁など)がある。
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