仙台弁の地名・固有名詞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 10:07 UTC 版)
仙台弁での発音が地名・固有名詞に影響を与えているものを以下に示す。ただし現在は、仙台弁の読みを正式としているのは定義如来や新伝馬町くらいで、それら以外は標準語・共通語の発音の方を正式な読みとしている。仙台弁の読みが正式ではなくなった時期は不明であるが、例えば、1896年(明治29年)に仙台に住んでいた島崎藤村が、「市井にありて」で名掛丁を『名影町』と記していることから、この頃はまだ濁音化した仙台弁地名がまかり通っていたと推定出来る。 現時点で優勢な読みの方を黄色地で示すが、両者の間に大差がない場合は両者とも黄色地とする。東北方言(南奥羽方言)でよく見られる変化のほか、仙台弁特有の読み方も見られる。 共通語標準語仙台弁備考鳴子温泉 なるこおんせん(naruko-onsen) なるごおんせん(narugo-onsen) 濁音化(軟口蓋破裂音の変化:k → g) 名掛丁 なかけちょう(nakakechō) なかげちょう(nakagechō) 濁音化(軟口蓋破裂音の変化:k → g) 定義如来 じょうぎにょらい じょうげにょらい 「イ」と「エ」の曖昧さ仙台弁の方が現在も正式 新伝馬町 しんてんままち(shintemmamachi) しんてんまち(shintemmmachi) 「a」の有無仙台弁の方が現在も正式 北目町 きためまち(kitamemachi) きたんまち(kitammachi) 「e」の有無(撥音便) 南町 みなみまち(minamimachi) みなんまち(minammachi) 「i」の有無(撥音便) 土樋 つちとい(tutitoi) つっとい(tuttoi) 「i」の有無(促音便類似) 国分町 こくぶんちょう - 現在は「こくぶんまち」とは読まない。 こくぶんまち(kokubummachi) こっぽんまちこっぷんまち(koppummachi) 促音化両唇破裂音の変化(b → p) 勾当台 こうとうだい - 現在は「こうとうのだい」とは読まない。 こうとうのだい こどのでえ 「勾当台通」参照 大河原町 おおがわらまち おがらまち 御鍛冶屋前 おかじやまえ おがんちゃめ 霊屋下 おたまやした おだまやんた 片平丁 かたひらちょう かだっしゃちょ 米ヶ袋 こめがふくろ こめやふくろ 清水小路 しみずこうじ すずこうじ 「シ」と「ス」の統合 遺水丁 やりみずちょう やりみんちょう 松島 まつしま まづすま 濁音化「シ」と「ス」の統合 ※大阪府岸和田市(泉州弁地域)には、「北町」と書いて『きたんまち』、「南町」と書いて『みなんまち』と読む地名が存在する。
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