今日的テーマを幾重にも織り込む冒険
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 02:32 UTC 版)
「岡田淳」の記事における「今日的テーマを幾重にも織り込む冒険」の解説
藤子不二雄の漫画『パーマン』などを担当し、児童誌『小学一年生』編集長や小学館クリエイティブ社長などを務めた野上暁は、1997年(平成9年)を回顧した際、宮崎駿のアニメ映画「もののけ姫」やゲームソフト「ポケットモンスター」ブーム、そして神戸連続児童殺傷事件など「子どもの本の周辺に話題の多い一年だった」と振り返った。 その前兆の一つとして『子どもと悪』(河合隼雄〈後の第16代文化庁長官〉著、岩波書店)が人気となっていたことを挙げ、「数年来加速化してきている子どもの本や子どもの文学といった枠組みの揺らぎとも微妙に重なってくる」と指摘。そんな時代だからこそ、子供に視線を向け、しっかりと「緊張関係を保ちながら作品世界を構築している作家の仕事に強く惹かれる」とした上で、岩瀬成子の『アルマジロのしっぽ』(あかね書房)と、岡田の『選ばなかった冒険 光の石の伝説』(偕成社)を挙げている。特に岡田の、ロールプレイングゲームの世界で“闇の王”と戦う設定について「こちらの世界と向こうの世界を巧妙に重ね合わせ、いじめや暴力といった今日的なテーマを幾重にも織り込んだ奥行きの深い読み応えのある冒険物語」と、高く評している。
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