今昔マップ on the webとは? わかりやすく解説

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今昔マップ

(今昔マップ on the web から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/17 02:23 UTC 版)

今昔マップ
作者 谷謙二
初版 2006年2月 (17年前) (2006-02)
最新版
今昔マップ 3.02 / 2015年12月7日 (7年前) (2015-12-07)
対応OS Windows 7/8/8.1/10
対応言語 日本語
種別 GISソフトウェア
公式サイト ktgis.net/kjmap/index.html
テンプレートを表示

今昔マップ(こんじゃくマップ)は、旧版地形図国土地理院発行)の閲覧が可能なサービスで[1]、特定地域の複数年代の地形図を比較参照できる[2]。地理学者の谷謙二により開発された[1]。Web版の「今昔マップ on the web」と、Windows版ソフトの「今昔マップ3」がある。

経緯

今昔マップの開発は2005年春頃から開始された[3]

地域概要の理解のうえで、地形図は重要な資料である[注釈 1]ものの、当時は旧版地形図を簡便に閲覧する方法がなかった[注釈 2][4][5]。また、開発者の谷自身も、大学の講義で大都市圏の発展過程について解説するときに、旧版地形図を学生に提示する方法について苦労していた[6]

2005年に「時系列地形図閲覧ソフト『今昔マップ』(首都圏編)」が開発され、東京50キロメートル圏内の2万5000分の1旧版地形図が収録された[5]。2006年2月にDVD版の配布が行われた[3]

2008年に「今昔マップ2」が開発・公開された[5]。今昔マップ2ではインターネット上でソフトウェアと地図画像のダウンロードが可能になったうえ、中京圏・京阪神圏の旧版地形図も閲覧可能になった[5]。2009年にVector[注釈 3]窓の杜[注釈 4]で紹介されたことでダウンロード数が増大した[7]

今昔マップ on the web

今昔マップ on the webは、WebGISの1つであり、ウェブブラウザ上で旧版地形図の閲覧が可能である[8]。パソコンに限らず、スマートフォンからでも利用できる[8]

2013年に開発・公開が行われ、その後も更新が進められている[9]。2019年に日本国内の全ての都道府県庁所在地が収録対象地域になった[10]

大学での授業で地形図空中写真を扱う際にも有用である[11]。長所として、安倉良二は、インターネットの接続環境があれば容易に利用できること、利用者自身で画面表示の拡大縮小や移動が可能なこと、画面を分割して複数の地形図や空中写真を同時表示できること、画面分割機能と組み合わせてGoogle マップなど一般的なWeb地図とも同時表示が可能なことを指摘している[12]

各地域の土地の変遷の把握[13]、防災情報の調査や、郷土学習でも利用できるほか、歴史愛好者や鉄道ファンの人が趣味で利用することもある[14]

今昔マップ3

今昔マップ3では、Web版の今昔マップ on the webでは困難な、複雑な操作を行うことができる[9]。2015年に開発・公開が行われた[15]

今昔マップ3のみで行える機能として、地図中に目印を表示・記録・保存する機能、KML・KMZ・GPXファイルの読み込み・表示機能、位置情報をもつ写真の表示、地図画像のファイル出力機能が挙げられる[16]

脚注

注釈

  1. ^ 例えば、中学校・高等学校での地理教育で地形図読図が取り扱われている。
  2. ^ 国土地理院へ謄本交付申請を行うか、高価な地図集を購入するか、図書館に出向いて閲覧するしかなかった。
  3. ^ Vector: 今昔マップ2 - 新着ソフトレビュー” (2009年3月10日). 2020年7月1日閲覧。
  4. ^ 窓の杜 - 【REVIEW】時代とともに移り変わる地形の変化を地図で確認できる「今昔マップ2」” (2009年4月2日). 2020年7月1日閲覧。

出典

  1. ^ a b 野間ほか 2017, p. 157.
  2. ^ 谷 2006, p. 43.
  3. ^ a b 時系列地形図閲覧ソフト「今昔マップ3」ダウンロード”. 2020年7月1日閲覧。
  4. ^ 谷 2009, pp. 135–136.
  5. ^ a b c d 谷 2017, p. 1.
  6. ^ 谷 2018, p. 328.
  7. ^ 谷 2009, p. 143.
  8. ^ a b 谷 2019, p. 32.
  9. ^ a b 谷 2017, p. 5.
  10. ^ 今昔マップ on the web:時系列地形図閲覧サイト|埼玉大学教育学部 谷謙二(人文地理学研究室)”. 2020年7月1日閲覧。
  11. ^ 安倉 2019, p. 41.
  12. ^ 安倉 2019, pp. 41–42.
  13. ^ 相次ぐ台風 “土地”サイトに注目集まる」『NHKニュース』、2019年10月23日。2020年7月1日閲覧。
  14. ^ 「朝デジジャーナル スマホ片手に100年前を散歩」『朝日新聞』、2013年12月28日、37面。
  15. ^ 谷 2017, p. 6.
  16. ^ 谷 2017, pp. 8–9.

参考文献

外部リンク


今昔マップ on the web

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/03 14:30 UTC 版)

今昔マップ」の記事における「今昔マップ on the web」の解説

今昔マップ on the webは、WebGIS1つであり、ウェブブラウザ上で旧版地形図閲覧が可能である。パソコン限らずスマートフォンからでも利用できる2013年開発公開が行われ、その後更新進められている。2019年日本国内全ての都道府県庁所在地収録対象地域になった大学での授業地形図空中写真を扱う際にも有用である。長所として、安倉良二は、インターネット接続環境があれば容易に利用できること、利用者自身画面表示拡大縮小移動可能なこと、画面分割して複数地形図空中写真同時表示できること、画面分割機能組み合わせてGoogle マップなど一般的なWeb地図とも同時表示可能なことを指摘している。 各地域土地変遷把握防災情報調査や、郷土学習でも利用できるほか、歴史愛好者鉄道ファンの人が趣味利用することもある。

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