人を追いかけるユニコーンとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 人を追いかけるユニコーンの意味・解説 

人を追いかけるユニコーン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 00:52 UTC 版)

ユニコーン」の記事における「人を追いかけるユニコーン」の解説

バールラームがヨサファートの洗礼心構えのために話した寓話中に、人を追いかける獰猛なユニコーン当初サイだったかもしれない)が出て来る。この伝説が語られる異本13 – 14世紀聖人伝集のいくつか存在するまた、ボーヴェヴァンサン(1190ごろ – 1264)の『自然の鏡』(1245 / 50年のような百科事典的な作品にもある。以下に述べるのは、ジェノヴァ大司教ヤコブス・デ・ウォラギネ(1230ごろ – 98)が13世紀書いた『黄金伝説』Legenda aurea, 1267年ごろに完成)の第174章 「聖バルラームと聖ヨサパト」の中のものである。 昔、セナールという国の近く砂漠にバールラームという名の男が住んでいた。彼は多くたとえ話をして、この世偽りの快楽に陥らぬよう人々説教行っていた。このようなわけで、彼はある男のことについて語ったその男ユニコーン食べられないようにと、男を食べようとしているユニコーンから急いで逃げようとして、深淵(または井戸)に落ちてしまう。それでも男は灌木につかまることができた。だが、彼の足は滑りやすく、もろい場所に置かれていた。怒り狂うユニコーンが上から男を見下ろしている一方で、男の下の方に恐ろしいドラゴン火を吹き、口を大きく開けて、男が落ちてくるのを待っているのが見えた。さらに滑りやすい足場四方からは、四匹のヘビが体を伸ばし、頭を突き出していて、男がつかまっている灌木根元には、黒いネズミ白いネズミ二匹根元かじっており、今にも引きちぎれそうであった。ところが男が上を見上げると、灌木小枝から蜜が一滴垂れているのが目に入った。そこで男は自分の身に迫るあらゆる危機忘れて、その蜜の甘さ束の間酔いしれるのである。このユニコーンというのは、人間至る所追いかけて来る死である。深淵この世であり、あらゆる災い満ちている。灌木人間の命を意味し、それを昼と夜という時間白と黒ネズミのようにかじっており、必ず落下することになる。四匹のヘビ身体表しており、身体四元素から成り、その秩序乱れたとき、四元素解体せざるを得ないドラゴン人間を今にも飲み込もうとしている地獄入り口である。しかし、蜜は、この世はかない快楽である。この快楽人間はふけり、全ての危機忘れるのだ。--ヤコブス・デ・ウォラギネ 『黄金伝説』174章 「聖バールラームと聖ヨサファート」 このたとえ話では『詩篇』22章21節のユニコーンのようにいついかなるところでも人間追い迫ってくる「死」の象徴考えられていた。後代の『フィシオロゴス』のユニコーン人間追いかけ人間追いつく食べてしまうという話の出所は、この話ではないかといわれている。

※この「人を追いかけるユニコーン」の解説は、「ユニコーン」の解説の一部です。
「人を追いかけるユニコーン」を含む「ユニコーン」の記事については、「ユニコーン」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「人を追いかけるユニコーン」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「人を追いかけるユニコーン」の関連用語

人を追いかけるユニコーンのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



人を追いかけるユニコーンのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのユニコーン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS