交渉の技術
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/24 10:24 UTC 版)
(1)まず、相互に本心を正確に主張しあうこと (アサーティブネス) 自分の主張を相手に正しく伝えることが交渉の出発点である。自分にとっては自明の内容でも、言葉にして相手に伝えなければ、相手には分からない。ただし、最低売却価格など、通常は相手に言わない事もある。 (2)次に、相手の意図を正確に把握すること 次に、相手の主張を正しく理解して把握することが必要である。有名なオレンジの例では、一つのオレンジを姉妹二人で奪い合うが、姉は実はオレンジの皮だけ欲しかったことが判明して、問題が解決した。 (3)戦うのではなく、共同で問題解決を目指すこと 相互に相手の主張や意図を把握した後に、共同で問題解決を目指す。双方が心から満足できる解決策を模索する。 (4)妥結のためのアイデアを可能な限り多く出すこと 妥協案をなるべく多く考案する。「○○を譲ってくれれば、△△は譲る」のような案も多く出す。この過程で、相手の主張をより正確に把握することが可能になる。 (5)主張内容の差を考えること 野球選手の年俸交渉がまとまらない場合に、来期の出来高払い制を取り入れると妥結することがある。来期の活躍の見通しに差がある場合には、それを反映させた案であれば、妥結が可能になりやすい。 (6)安易に譲歩しないこと 安易に譲歩すれば、交渉は容易に妥結するが、自分の不満が蓄積する。 (7)原則や客観的な基準に従って、公平に判断すること その問題について、既に多くの研究が行われていて、国際機関や内外の政府機関が採用する原則や基準が作成されている場合がある。そのような原則や基準を守る。交渉において正義は力である。 (8)調停人を利用する場合がある 交渉が行き詰まった場合に、原則や客観的な基準を持ち込む目的で、調停人(交渉人、ネゴシエーター)を利用する場合がある。ただし、調停人にも利害があり、かえって敵対がもたらされ、交渉が長引き、紛争が繰り返されることがある。 (9)交渉に関与する人数を減らす 権限を持つ代表2名の間の交渉にする。交渉に関与する人間が増えると、利害の調整は非常に困難になる。 (10)合意内容を明確にする 合意内容を文章化しておく。合意内容がうまく機能するかどうか確認して修正する。
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