二次発酵とマロラクティック発酵
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 01:55 UTC 版)
「ワイン」の記事における「二次発酵とマロラクティック発酵」の解説
搾り出された液体はステンレスやコンクリート製のタンク、木製(主にフレンチオーク、一部ではアメリカンオークも使用される)の樽に貯蔵される。木製の樽を利用するとその香りなどがワインに影響し、それが良い効果を与えるとされている。一方、ステンレス製のタンクではワインへの影響がないため品質管理がやりやすくなるという利点があり、ステンレス製タンクを利用する生産者が増えている。熟成期間は数十日から数年と様々である。底にたまった滓(おり)は随時回収する。アルコール発酵で生じた二酸化炭素を大気中に発散させず、液中に封じ込めたものはスパークリングワインとなる。 酸味の強いワインでは樽での貯蔵中に乳酸菌が投入されてマロラクティック発酵(Malolactic Fermentation, MLF)が行われる。これを「熟成」とも呼ぶ。マロラクティック発酵は酸味の主成分であるリンゴ酸を乳酸と二酸化炭素へ分解する化学反応で、製品の酸度の減少と微量芳香成分の付与をする。MLF発酵が行われる温度は15 - 18℃で、12℃以下では起こらない。多くの場合、MLF発酵が行われるのは冬期の寒冷期であることから、近代的な製法では乳酸菌スターターの添加と加温管理で行われる。さらに、ワインのpHは3.1 - 4.0の範囲になければならない。pH4.0を超えると失敗しやすくなる。ただし、最適なpHは使用される乳酸菌によって異なっている。また、マロラクティック発酵は赤ワインだけでなく白ワインでも行われる。 乳酸菌としては、 発酵の初期はホモ型(Lacobacillus paracasei , Lb. plantarum)、ヘテロ型(Leuconostoc mesenteroides)、発酵の後期になると Oenococcus oeni などが作用をもたらす。この乳酸菌が日本酒に作用すると腐造となる。
※この「二次発酵とマロラクティック発酵」の解説は、「ワイン」の解説の一部です。
「二次発酵とマロラクティック発酵」を含む「ワイン」の記事については、「ワイン」の概要を参照ください。
- 二次発酵とマロラクティック発酵のページへのリンク