事故の余波とその後
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/23 18:23 UTC 版)
「メルセデス・ベンツ・CLR」の記事における「事故の余波とその後」の解説
事故後、メルセデス・ベンツはル・マン24時間レースから撤退、2020年現在においても2018年以降にLMGTEのアストンマーティン・ヴァンテージに対してエンジン供給をしているもののメルセデス・ベンツとしては復帰していない。サルト・サーキットも事故が二度にわたって発生したミュルサンヌコーナー手前の丘を高さ8 m程の高さに削り、勾配を抑制する等の対策工事を行うこととなった。また、「ル・マン」プロトタイプではタイヤハウス上部に開口部を設けるレギュレーションが新設された。 1998年型ポルシェ・911 GT1も、前年秋のALMS"プチ・ル・マン"開幕戦のロード・アトランタで、ヤニック・ダルマスの駆るマシンがフロント部分から浮上し宙を舞う事態に見舞われている。これらの事象によって、レーシングカーのエアロダイナミクスを見直す動きが活発化し、レギュレーションの改定が行われた。これらの改善が図られたにも関わらず、2000年の"プチ・ル・マン"では今度はウィリアムズが開発したBMWのワークスマシンが宙を舞う事態が起きている。その後FIA 世界耐久選手権の2018年開幕戦のスパ・フランコルシャン6時間レースの決勝レースで、SMP RacingのプロトタイプマシンBR1-AERが突然「オー・ルージュ」出口の登り急勾配の右カーブで突然フロント部分から宙に舞い上がりマシン後部からコース上に落下、コントロールを失ってタイヤバリアに衝突するという、CLRの事故とほぼ同じ状況でのアクシデントが発生した。幸い、ドライバーのマテヴォス・イサアキャンは無傷だった。 なお、唯一宙を舞わなかった6号車がドイツのメルセデス・ベンツ・ミュージアムにて保管されていた。後にある自動車コレクターに売却され、時折イベントなどに姿を見せているが、浮上事故を起こす危険を回避するため「絶対にレーシングスピードで走行させないこと」という条件の元に走行している。
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