事件の収拾
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 03:05 UTC 版)
「上野動物園クロヒョウ脱走事件」の記事における「事件の収拾」の解説
クロヒョウ脱走事件からわずか5日後の7月30日、今度はシカの脱走事件が発生した。このシカは同年1月に寄贈されたメスで、7月30日午前11時に寝室入り口から脱走して上野公園内を走り抜け、上野広小路の洋品店前までさしかかったところで群衆によって取り押さえられた。上野動物園の飼育主任を務めていた福田三郎が山下交番でシカを引き取り、上野警察署まで運搬していったものの、その途上の午前11時40分にシカは心臓麻痺を起こして死んでしまった。 連続する脱走事件の責任を取って、上野動物園の最高責任者である主任技師職を務めていた古賀忠道は進退伺を提出した。古賀は免職にはならなかったものの、10月31日付で「市則第八十九条ニ依リ」過怠金5円の行政処分を受けた。なお、当時古賀の年俸は1,800円であった。飼育主任の福田は10月30日付で譴責処分を受け、シカの飼育担当者は11月15日付で「30日間日給20銭の減給」という行政処分を受けた。動物の脱走事件で飼育担当者が行政処分を受けたのは、このときが初めてのことであった。その一方で、クロヒョウ捕獲に活躍した原田国太郎には10月30日付で特別賞与金として5円が与えられた。 保健局公園課長の井下清は、東京市長牛塚虎太郎宛の報告書を7月26日付で提出した。その後、工費8,570円をかけて応急施設工事が実施された。その内容は警報器設備一式、移動投光器3台、コンセント設備増設8カ所、錠前改造などであった。猛獣舎については、金網が430平方メートルにわたって設置されている。
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