主要登場人物の設定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/02/18 09:31 UTC 版)
氷崎游子 単行本版では染めていない艶やかな赤い髪の持ち主で、知的な魅力を放つ女性として描写されている。脚の障害はアルコール依存の父による虐待が原因で、父はのちに早発の痴呆症(認知症)を発症する。なお単行本版では過去の恋愛のエピソードはない。 游子は大野夫妻に敵対視され、「駆除」のターゲットにされる。大野らは駒田と相打ちさせるような形を計画し、駒田になりすました電話で話し合いに誘う。これにより游子は酔った駒田にアイスピックで数か所を刺す重傷を負わされる。病院搬送時、同じAB型の浚介と馬見原が輸血に協力する。これらの設定がなくなり、上述のように変更された。 巣藤浚介 5歳年上の兄(2児の父・電気会社勤務)→5歳年下の弟 父(公務員。性格は不器用)が3年前に死亡。母は自己中心的で家出。兄と父と3人暮らしだった。→両親は禁欲の思想を持ち子供たちを抑圧していたが、のちにそれに疲れ父は仕事を辞め、浚介の弟に頼る生活をしている。父方の祖父母の存在。 女性たちとの関係では、美歩については妊娠について嘘をつかれたのは一緒だが、美歩が実家で動物の虐殺死体に遭遇して気持ちが冷めるきっかけになるのに対し、文庫版ではそれがなくなり、巣藤が謹慎中、解雇を伝えにきた際に別れを告げる。亜衣に対しては、衝動的にキスをしてしまい混乱を生むが、文庫版ではその描写はない。単行本では浚介と游子が交際するのは全ての事件が終了したエピローグ以降だが、文庫版では中盤以降から互いに好意を抱き始めて芳沢家の事件直前に結ばれる展開である。 また関連人物である鈴木渓徳とその家族や友人たち、パクさんが登場するのは文庫版のみで、宮地は単行本版のみである。 馬見原光毅 妻・佐和子は息子の死で心を病み、単行本では近所の飼い犬の首を切り落とすのだが、文庫ではその行為はマイホームの幻想にとりつかれた男の犯行に変更。単行本版では綾女に会うことはない。文庫版では患者仲間との交流や、お遍路への旅で気持ちを整理し、離婚を決意する描写、徘徊し娘婿に救われる場面などが大幅に加えられた。また物語ラストでの馬見原自身の運命も大幅に異なっている。 大野夫妻 単行本版では、息子殺し当時の夫婦の姓が山賀で、出所後に復縁して再婚し、その際妻の側の大野の姓を選ぶ。業者の名は「大野害虫消毒」となる。また減刑署名運動への怒りの描写が多く割かれている。
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