世界史B試験問題流出事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 15:27 UTC 版)
「大学入学共通テスト」の記事における「世界史B試験問題流出事件」の解説
1月15日、地理歴史・公民の試験時間中(午前11時ごろ)に、世界史Bの問題と見られる画像がスマートフォンなどの電子機器で撮影され外部に流出したことが、大学入試センターへの「試験中に外部の人間が問題を見られるのか」という問い合わせから発覚した。警視庁は偽計業務妨害罪の疑いでこの件の捜査を開始した。試験時間中にテストの内容が外部に流出したのは2011年に携帯電話を利用して京都大学などの試験問題の一部がインターネットの掲示板に投稿された事件(大学入試問題ネット投稿事件)以来となる。 高校2年生を自称し問題を送信したとされる人物は、家庭教師紹介サイトで知り合った東京大学の学生に問題を解くよう依頼して画像を送信し、解答を返信させていた。国語の試験前にも、現代文について同様の依頼をしていた。その後、依頼された学生は送られてきた画像が共通テストの問題であることに気づき、17日に文部科学省へ通報した。 27日、試験問題流出に関与したとみられる19才の女性が、香川県丸亀警察署に出頭した。女性は、「私がやりました。母親と相談して出頭することにした。」と話している。家庭教師紹介サイトを使用して、試験の約1ヶ月前から年齢や名前を偽り、準備をしていたことが分かった。 また、この女性は英語、数学、化学などの他の教科についても解答を送信するよう別の学生に依頼していたことが発覚した。ただし、世界史B以外の画像の流出は確認されていない。 31日、大学入試センターが、この件について警視庁に被害届を出したことが分かった。2月10日、警視庁は前述の大阪府在住の女性に加えて、画像を送る中継役をしていた20歳代男性の2人を偽計業務妨害容疑で書類送検した。 3月31日、東京地検は19際の女性を家裁送致し、中継役の男性を略式起訴した。4月15日付で東京簡易裁判所は男性に罰金50万円の略式命令を出した。 この事件を受けて、その後の入試ではスマートフォンの電源を机上で切ってからかばんへしまうなどの対策が徹底された。
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