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うえ‐さねみち〔うへ‐〕【上真行】

読み方:うえさねみち

[1851〜1937]雅楽家。京都の人。唱歌一月一日年の始)」の作曲者


上真行

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/18 08:37 UTC 版)

上真行

上 真行(うえ さねみち、1851年7月30日嘉永4年7月2日)- 1937年昭和12年)2月28日)は、日本雅楽[1]チェロ奏者[1]漢詩人[1]である。幼名は真裕[1]、号は夢香[1]唱歌一月一日』の作曲者として知られている[2]

経歴・人物

若年期

京都にて、雅楽師の[3]上真節の長男として生まれる[4]1855年安政元年)に4歳で父から雅楽を学ぶ[1]1866年慶応2年)には11歳で宮内に仕官し、楽仕となった[1]明治維新後の1870年明治3年)に宮内省雅楽局の設置と同時に、役員となった[1]1874年(明治7年)には式部寮の伶人ともなる[1]。この頃には、洋楽にも力を入れ、当時滞日していたジョン・ウィリアム・フェントンの指導のもと[1][3]テノールトロンボーンといった吹奏楽を学ぶ[1]1876年(明治9年)に開催された皇族との節宴会においては、日本人としては初の洋楽器による演奏を行なった[1]。翌1877年(明治10年)には東京女子師範学校附属幼稚園(現在のお茶の水女子大学附属幼稚園)の委嘱により[1]、多くの童謡を作曲した[1]

雅楽家・チェロ奏者として

1879年(明治12年)に芝葛鎮や小篠秀一らによる西洋管弦楽協会の設立と同時に幹事を務める[1]。この頃、お雇い外国人として来日したフランツ・エッケルトルーサー・ホワイティング・メーソンらに師事し[1]、日本で初のバイオリンおよびチェロの奏者としての資格を取得した[1]。翌1880年(明治13年)より音楽取調掛に任命され[1][3]、メーソンよりピアノの演奏や唱歌、和声を学ぶ[1][3]1881年(明治14年)には文部省(現在の文部科学省)に勤務し[1]、宮内で初のチェロ奏者として名を馳せた[1][3]

後にメーソンの補佐役となり[1]、東京第一師範学校や女子師範学校、学習院で教鞭を執ったり[1][3]唱歌音律に関する研究や編纂にあたった[1]1886年(明治19年)に奥好義鳥居忱らと親交を持った事により[1]千代田区神田猿楽町に唱歌会を開く[1]1889年(明治22年)には東京音楽学校(現在の東京芸術大学)にて教鞭を執り[1]、後に教授に昇格した[1]。昇格後は1896年(明治28年)の退職後も和声や唱歌を講義し[1]、音楽教授法の制定に携わった[1]。同時期に作曲攻究会を創設し[1]、同会から小山作之助幸田延安藤幸滝廉太郎等多くの著名な音楽家が輩出した[1]。後に軍歌の作曲も手がける[1]

後半生から晩年

1912年大正元年)には東京音楽学校における邦楽調査掛の委嘱となり[1]教員検定小学校での唱歌の作曲[1]教科書の編纂委員になる等[1]、後年も音楽に関する業務に携わった[1]1917年(大正6年)に宮内省付属の楽部楽長に就任し[1][3]1920年(大正9年)には正倉院に所蔵されている琵琶等の古楽器の調査や研究に携わる[1][3]。後に上記の号を名乗り、『万朝報』の撰者となる等[1]、漢詩人として多くの作品を執筆および投詩し[1][3]書家としても活動した[1]

主な業績

音楽関係[1][3]

唱歌

作曲

チェロ演奏

漢詩・書家[1][3]

主著

  • 『花月新誌』
  • 『桂林一枝』

その他の作品

  • 『日本男子』
  • 『明日は千里』
  • 『富士唱歌』
  • 『亜細亜の海』
  • 『決死隊』
  • 『よき友』
  • 『自然の友』
  • 『日本海海戦 対馬の沖』

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak al am an ao ap aq ar 新撰 芸能人物事典 明治~平成(日外アソシエーツ)『上 真行』- コトバンク
  2. ^ デジタル大辞泉小学館)『上真行』- コトバンク
  3. ^ a b c d e f g h i j k 20世紀日本人名事典(日外アソシエーツ)『上 真行』- コトバンク
  4. ^ デジタル版 日本人名大辞典+Plus(講談社)『上真行』- コトバンク

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