ヴェネツィア、バルカロールとは? わかりやすく解説

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マルモンテル:ヴェネツィア、バルカロール

英語表記/番号出版情報
マルモンテル:ヴェネツィア、バルカロールVenezia, barcarolle Op.51

作品解説

執筆者: 上田 泰史 

 マルモンテルは、今日19世紀におけるピアノ教育への影響力によって注目集め始めているが、作曲家としての彼はほとんど無視されている。彼の作品ラヴィーナやプリューダンほど個人スタイルが明確ではなくポロネーズノクターンマズルカなどを複数書いているので、ともするとショパン二番煎じととられかねない。しかし、彼がピアノ教育におけるショパン重要性とその「偉大さ」を生徒たち伝えながらも、ショパンの影に圧せられることなく書いた200近く作品は、作曲家としての自覚自負なければありえなかったであろう事実1860年代生み出された《ヴェネツィア》、《涙―エレジー作品53などを含む作品50番台諸作品、および作品120番台の《鐘の伝説6つの性格的小品作品121バロック舞曲様式霊感受けた12バレエ曲古風な様式小品組曲作品122では作曲家としての技量ピアノメカニズム見事に調和している。マルモンテル作品では概してラヴィーナのようなシンフォニックな展開を特徴とせず、どこまでもピアニスティックで、曲想劇的な色彩変化伴わず少しずつその姿を変えながらよどみなく流れていく。《ヴェネツィア作品51三部形式構成される形式は下の様に図式化できる。

|| A (g) || B (G) || 経過(g) || A’ || Coda ||

 主題部舟歌典型的なト短調書かれゆっくりとをこぐようなリズム伴奏支えられる中間部は同主調ト長調書かれ、「リズム」は消え去り次第内面表出へと移行する。B とA’ の間に位置する経過部ではなだれ落ちる音階激情露わになる。A’ で主題をほぼそのまま再現し最後は舟が沈没するかとさえ思わせるg音の一撃締めくくられる。




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