ワンボタンマウス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/02 21:20 UTC 版)
「Macintoshのハードウェア」の記事における「ワンボタンマウス」の解説
ワンボタンマウスは、Macintosh独特のインターフェースとして知られている。これには、Macintosh発売以前のコンピュータの一般的方法であったコマンドによる操作 (CUI) では、単純な作業(例えば、ファイルの移動やコピーなど)さえできなかった人々であっても、「迷う余地がないほど単純なこと(ワンボタンマウスを使った操作)さえできれば、複雑なこともできるようになる」というAppleの主張が含まれている。元々、"The Computer for the Rest of Us"「(CUIベースではコンピュータを使えない)残された人達のためのコンピュータ(であるMacintosh)」を掲げて来たAppleにとって、マウスがワンボタンであるということは非常に重要な意味があった。 ワンボタンマウスの採用により、複数ボタンマウスでの多機能を前提とした複雑な操作体系とそれによる混乱を避けられる。このワンボタンマウスはMacintosh用ソフトの操作性に一貫性を持たせている。 PC/AT互換機とWindows陣営は長らく2ボタンマウスを採用して来たことから、Mac OS 8以降ではWindowsの右ボタンに相当するコンテキストメニューを採用するようになる。効率的な操作を追求するユーザーにはコンテキストメニューやExposéをマウスからワンクリックで呼び出すために、サードパーティーの多ボタンマウスを導入する者も少なくなかった。Appleはこれを受けて2005年にはMighty Mouseを発表した。Mighty Mouseは機械的には従来のワンボタンマウスのように1つのボタンがマウス全体を覆ったような形をしているが、マウスの特定部分(通常のクリックを左側、コンテキストメニューは右側に設定することが多い)が押されたことを電気的に検知することで多機能を実現している。また、ユーザーの設定で検知機能をオフにし、ワンボタンマウスと同じように使うこともできた。左右のボタンを強く押し込むと、Exposéが発動する。ホイールのようなスクロール機能を持つ小型のトラックボールも備えていたが、指の垢や埃が溜まるにつれてトラックボールの感度が著しく低下するという欠点があった。 2009年、AppleはiPhoneのようなマルチタッチ機能をマウスの上蓋に実装した、Magic Mouseを発表した。マウスの上面部全体が一つのボタンで、そのほぼ全面がマルチタッチセンサーとなっている。マルチタッチ機能を利用して、左右クリックや縦横のスクロール操作などを行うことができる。macOSに拡張ソフトを入れることで、複雑なジェスチャー操作が可能である。Magic Mouseはマウス付属モデルの標準マウスとなっている。
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