ロータス・98Tとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 製品 > 乗り物 > > ロータスのF1マシン > ロータス・98Tの意味・解説 

ロータス・98T

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/23 13:21 UTC 版)

ロータス・98T
1986年イギリスGPにてアイルトン・セナ
ドライブする98T
カテゴリー F1
コンストラクター ロータス
デザイナー ジェラール・ドゥカルージュ
マーティン・オジルビー
先代 ロータス・97T
後継 ロータス・99T
主要諸元[1]
シャシー カーボンファイバー ケブラー アルミニウム ハニカム モノコック
サスペンション(前) ダブルウィッシュボーン, プルロッド コイルスプリング ダンパー, アンチロールバー
サスペンション(後) ダブルウィッシュボーン, プルロッド コイルスプリング ダンパー, アンチロールバー
トレッド 前:1,816 mm (71.5 in)
後:1,620 mm (64 in)
ホイールベース 2,720 mm (107 in)
エンジン ルノー・EF15B英語版, 1,492 cc (91.0 cu in), 90度 V6, ターボ, ミッドシップ, 縦置き
トランスミッション ロータス / ヒューランド製 6速 MT
重量 540 kg (1,190 lb)
燃料 エルフ
タイヤ グッドイヤー
主要成績
チーム ジョン・プレイヤー チーム・ロータス
ドライバー 11. ジョニー・ダンフリース
12. アイルトン・セナ
コンストラクターズタイトル 0
ドライバーズタイトル 0
初戦 1986年ブラジルグランプリ
出走 優勝 ポール Fラップ
16 2 8 0
テンプレートを表示

ロータス98T (Lotus 98T) は、チーム・ロータス1986年のF1世界選手権参戦用に開発したフォーミュラ1カー。設計はジェラール・ドゥカルージュ

98T

前年の97Tの改良版。エンジンは新たにニューマチックバルブ英語版を備えたルノー・EF15B英語版を搭載する。主な変更点としては、1986年からのレギュレーションに合わせて燃料タンク容量が195リットルとされたこと、ボディーカウルがサイドポッド下端までの一体型とされたことなどである。サスペンションやタイヤなどは基本的に97Tから変更されていない。フロントホイール後方に小型サイドディフレクターを装着。後のバージボードの原型である。

結果的にこの年でJPSとチームとのスポンサー契約が終了となるため、黒とゴールドの「JPSカラー」をまとった最後のロータスF1マシンとなった[2]

98Tはシャシーナンバー1から4までの4台が作成された。このうちシャシーナンバー1は年間を通じ、全てのレースでスペアカーとして登録された[3]。このシャシーナンバー1はロータス内で「Qカー」と呼ばれ、セナのポールポジションはすべて予選用エンジンを搭載したこのシャシーで記録された[4]

1986年シーズン

前年のエースドライバー、エリオ・デ・アンジェリスはチームを去り、アイルトン・セナがエースに昇格する。チームメイトにはスポンサーのJPSの希望で英国人ドライバーを選ぶことになった。チームとしてはデレック・ワーウィックとの契約を予定していたが、セナが「トップドライバーが2人いることは、チーム力の分散になる」とワーウィックを拒否し、同郷かつ当時英国にて同居していた後輩マウリシオ・グージェルミンを推した[5]。結局、双方の妥協点としてジョニー・ダンフリーズがロータスのシートを得た。

98Tはセナのドライブにより16戦中8回のポールポジションを獲得した。ターボ勢同士による上位争いに加わり、第7戦アメリカGP終了時点でセナがポイントリーダーとなる。しかし、ルノーエンジンはマクラーレンTAGウィリアムズホンダに比べて、決勝での信頼性が劣り、2回の優勝、ドライバーズランキング4位に留まった。

僚友のダンフリーズは、6速ギヤボックスの開発を担当したが信頼性が不足しており、完走6回入賞2回でシーズンを終えることとなった。また、最終戦のアデレードでは車載カメラを搭載して走行した。

スペック

シャーシ

エンジン

  • エンジン名 ルノーEF15,15B,15C
  • 気筒数・角度 V型6気筒・90度
  • 排気量 1,500cc
  • スパークプラグ チャンピオン
  • 燃料・潤滑油 エルフ

記録

No. ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 ポイント ランキング
1986 BRA
ESP
SMR
MON
BEL
CAN
DET
FRA
GBR
GER
HUN
AUT
ITA
POR
MEX
AUS
58 3位
11 ダンフリーズ 9 Ret Ret DNQ Ret Ret 7 Ret 7 Ret 5 Ret Ret 9 Ret 6
12 セナ 2 1 Ret 3 2 5 1 Ret Ret 2 2 Ret Ret 4 3 Ret

脚注

  1. ^ Lotus98T StatsF1
  2. ^ 「"TEAM LOTUS"」『GPX 1987年イギリス速報版』山海堂、1987年8月5日、22-23頁。
  3. ^ Hamilton, Maurice (ed.) (1986). AUTOCOURSE 1986-87. Hazleton Publishing. pp. p.229. ISBN 0-905138-44-9 
  4. ^ 津川哲夫 (1988). F1グランプリボーイズ. 東京都文京区: 講談社. pp. pp.154-ff. ISBN 4-06-203487-5 
  5. ^ 「親友セナに追いつけるか マーチNo.2にグージェルミン」『別冊オートテクニック F1GPXpress 第14戦メキシコ速報版』山海堂、1987年11月5日、28頁。




固有名詞の分類

このページでは「ウィキペディア」からロータス・98Tを検索した結果を表示しています。
Weblioに収録されているすべての辞書からロータス・98Tを検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
 全ての辞書からロータス・98T を検索

英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ロータス・98T」の関連用語

ロータス・98Tのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ロータス・98Tのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのロータス・98T (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS