ロゼッタの起動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 04:20 UTC 版)
「ロゼッタ探査機の経過」の記事における「ロゼッタの起動」の解説
3月3日 - Sバンドを用いたロゼッタとの通信を開始した。ロゼッタの低速通信用ローゲインアンテナ・高速通信用ハイゲインアンテナのいずれも正常であると確認された。加えて、リアクションホイールを使用して、噴射の影響によるロゼッタの姿勢を乱れを制御した。なお、この後、ロゼッタに纏わり付いている地球の大気の成分などが、数日間かけて、ロゼッタから宇宙空間へ散逸してゆくのを待った。 3月4日 - ロゼッタの太陽電池パネルの試験を行い、その後、使用を開始した。 3月5日 - Sバンドよりも高速通信が可能な、Xバンドを用いたロゼッタとの通信を確立し、以降、使用を開始した。 3月10日 - ロゼッタの搭載機器の1つである、CONSERT(Comet Nucleus Sounding Experiment by Radio wave Transmission)の起動に成功し、運用を開始した。 3月11日 - ロゼッタが目標としていた、小惑星(2867)シュテインスと小惑星(21)ルテティアには、フライバイが可能な見込みだと、ロゼッタの科学探査チームが発表した。会見では「彗星と小惑星は、太陽系の地球を始めとする惑星の材料であり、その中の3つの天体にロゼッタは向かう。」といった旨の発言が有った。 3月12日から3月17日 - チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星へ着陸させる予定のフィラエを起動し、待機状態にした。なお、迅速な彗星への投下を行うために、1点だけ設定変更を行った。 3月19日 - ロゼッタの搭載機器の1つである、RPC(Rosetta Plasma Consortium)の起動に成功した。ただし、電力不足に陥らぬよう、RPCの電源は落とされた。ともあれ、この日までにロゼッタの肝に当たる機器であるフィラエとRPCの動作確認は行えた。 3月26日 - ロゼッタの搭載機器の中の3つ、すなわち、ROSINA(Rosetta Orbiter Spectrometer for Ion and Neutral Analysis)と、ALICEの愛称で呼ばれる紫外線分光器(ultraviolet Imaging Spectrometer)と、VIRTIS(Visible and Infrared Thermal Imaging Spectrometer)を起動した。なお、これら3機器は、2日間をかけて起動していった。加えて、ロゼッタに搭載されている高速通信用のハイゲインアンテナから校正用信号を発振し、リアクションホイールを用いた姿勢制御方式ではなく、緊急時に行い得るスピン安定方式の姿勢制御を行う事態に陥った際に備える試験を行った。このロゼッタからの信号は、地球のNew Norcia Stationに設置してあるアンテナで受信した。 3月30日 - 5日間かけて実施していた、ロゼッタの搭載機器の1つであるRSI(Radio Science Investigation)の起動が完了した。 4月3日 - ロゼッタの搭載機器の1つであるMIRO(Microwave Spectrometer for the Rosetta Orbiter)の健全性を確認した後で、緊急時に行い得るスピン安定方式の姿勢制御を行う事態に陥った際に備える試験も行った。加えて、MIROの試験を兼ねて、金星の観測も実施した。 4月4日 - 前日までの緊急時に備えるための試験を終了し、太陽光がロゼッタのX軸方向に当たるように姿勢制御を行った。これ以降2004年の年内は、ロゼッタの姿勢を地球からの通信を受け易い状態を保つ予定を立てた。なお、この日は、ロゼッタの搭載機器の1つであるGIADA(Grain Impact Analyser and Dust Accumulator)の起動も行った。 4月5日 - 前日から実施していた、ロゼッタの搭載機器の1つであるMIDAS(Micro-Imaging Dust Analysis System)の軌道を行った。この場所で、ロゼッタに搭載している科学観測用機器・航行用機器を全て、一時的に起動する試験を1回行い、それも成功した。なお、この日までに、ロゼッタに搭載されている主要な機器は、全て起動が可能であった事が確認された。
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